2014年1月31日金曜日

238.「反日メディアの正体 「戦時体制(ガラパゴス)」に残る病理」 古谷 経衡

反日メディアとは、「日本は悪だ」「日本が嫌いだ」「日本は間違っている」という言説を報道するマスメディアとのことです。

「自虐史観」とは、日本は先の戦争において加害者であるから、東アジアの近隣諸国に誤罪し続けなければならない」とする歴史観です。

このような歴史感を土台にした報道は、「偏向」と呼ばれ、それを放映したテレビ局は、「反日メディア」と世ぼれます。「反日メディア」には、「確信的反日」と「無自覚な反日」があり、「確信的反日」には、反日イデオロギーが存在します。

「無自覚な反日」は、国威掲揚=悪という意識から発現し、「浅田真央転倒パネル事件」などがこの例です。

独特の視点から気がつかなかった論点を抽出し、根拠づけて解説している前半はとても面白かったです。

後半は、言いがかりのような大手メディア批判が展開します。
大手メディアの新入社員比率の4割が早慶出身者であるため、大手マスメディアは、「スタンフォード監獄実験」、「あさま山荘事件」「オウム真理教」のような隔絶された社会環境となり、性犯罪といった犯罪の温床となるとなる偏った主張を展開します。
この章を読んでいると、著者が学歴により大手メディアに入れなかった恨みを抱いているのではないかとすら疑ってしまいました。

大手メディアを根拠なくひとくくりにして「反日メディア」と、断定し、「それをインターネットで打倒するのではなく、ゆるやかな変化を求める」という、なんとも曖昧な結論にまとめてしまい、竜頭蛇尾の感を逃れられませんでした。


2014年1月30日木曜日

映画「永遠の0」

私は、戦争映画があまり好きではありません。内容が暗く、泣かせようとする演出があざといと感じるからです。
しかし、この映画は評判が良かったので見に行きました。

戦争の英雄を描くのではなく、ゼロ戦の操縦は長けているものの、一人の兵士にすぎない男の生き方を描いています。

宮部久蔵の戦争中の振る舞いを尋ねると、多くの戦友は、「部隊一の臆病者」、「戦闘中、いつも逃げ回っていた」と悪しざまに非難します。
しかし、数人だけ宮部の全く反対の姿を語る人達が現れます。その人達は、宮部に深く感謝しているのです。

宮部が臆病者と呼ばれた理由は?
そんな宮部が特攻を志願した理由は?
驚くほどに精緻な空母と、臨場感あふれる空中戦とともにその謎が明かされていきます。

「10年後には我々の世代はこの世からいなくなる。その前にこのことを語っておかなければならなかった。」
と大石が話したのは、2004年。
今年が正にその10年後の2014年にあたります。戦争を語ってくれる方々は、もう殆どいらっしゃらないのかもしれません。
こういう映画が後世に残り、戦争について考えるキッカケになることは、非常に意味があると思います。

237.「すぐに使えるドイツ語会話―スーパー・ビジュアル」 Language Research Associates

ドイツ語の基本表現集です。
丸暗記すべき必須表現45と使いまわしできる重要表現86とそれに当てはめる基本単語1000から成ります。

表現集のので相手に何かを伝えることが目的でヒアリングや文法の力はあまり伸びません。

ストーリーなどはないので単調ではありますが、旅行に行く人などが最初に学ぶのに有効だと思います。また、本書をマスターすることでドイツ人と簡単な会話をするキッカケになります。


2014年1月29日水曜日

236.「ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング」 赤羽 雄二



「日本の教育は物事を深く考える訓練をしないから考える力が育っていない。僕は、マッキンゼーという素晴らしいコンサルティング会社でトレーニングを積んだから普通の日本人じゃないよ。その僕がマッキンゼーで学んだノウハウを教えてあげるよ。」というお決まりのやり取りで一章がさかれています。

ゼロ秒思考とは、瞬時に現状を認識し、瞬時に課題を整理し、瞬時にどう動くべきか意思決定できること、迷っている時間はゼロ、思い悩んでいる時間はゼロとなることをいいます。

「前もって類似のパターンを調べ上げておいて、それを課題ごとに当てはめる。」
これって、大手コンサルティングが、沢山の事例を集めて降りて、各クライアントのために考えた振りして当てはめて大金を入手する手口と同じじゃないですか。

ゼロ秒思考に到達するためにやることは、A4用紙を横置きにし、1件1ページを1分以内に、毎日10ページを書くこと。

シンプルだけど、頭のなかの反芻されるアイデアを吐き出すことによって頭を整理し、それを毎日一定数続けることでアウトプットのスピードを上げるいいトレーニングになるとおもいます。



2014年1月28日火曜日

235.「「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話を4つください。」 山田真哉、 花輪陽子


とても分かりやすく面白かったです。自分の給与明細書を広げながら読みました。

健康保険証は、70%オフの医療費割引カードという発送はパラダイムシフトでした。これまで月々数万円の健康保険料を支払っていましたが、身体に痛みを感じても我慢して病院には行っていませんでした。
でも、それって保険料の掛け捨てと同じことでした。
これからは市販薬は買わず、何かあったら病院に行って処方箋を書いてもらうことにします。その方がより症状にあった薬を70%オフで買えるからです。

2014年4月から消費税が増税されるので、住宅の駆け込み需要が増えると思います。過去のデータを見ると、いずれも高値づかみとなり、増税後、住宅価格が下落したそうです。今回も同じことが起こるのでしょうか?



2014年1月27日月曜日

234.「「怒り」の上手な伝え方」 森田汐生

「アサーティブ」のスキルのうち、「怒りの感情」の表現に焦点を合わせた本です。

「アサーティブ」とは、自己主張をすることです。
つまり、言いにくいことを率直に、誠実に、対等に、言葉にして伝えることです。

本書は、怒りの感情表現を4つのタイプに分け、それぞれのタイプごとに怒りの伝え方と怒りをぶつけられたときの対処法を記載しています。

表現もやさしく、実際に対応例(言い方)も適量なので、わかりやすく勉強になりました。



2014年1月26日日曜日

233.「日本ダメだ論の正体~新聞テレビは日本を9割ダメにする!」 田村 秀男、 渡邉 哲也

本書の主題は、マスメディアと経済についてです。経済は数値化できて答えを導きやすいからだそうです。


様々な論点があり、それぞれ目が開かれる思いでした。
特に、消費税増税の影響についてが勉強になりました。

消費税増税は、外国人投資家の目を気にした経産省のミスリードです。彼らは税率を上げなければ、税収が増えず、その結果、国債が売られるという3段論法を展開してきました。
しかし、国債の90%以上が国内の機関投資家が保有しているため、外国人投資家が10%未満を投げ売りしたとしても、国債の暴落は起こりません。
そもそも、消費税を上げても、買い控えが起これば、消費税以外の税収が減るので、前提も怪しいです。

円安により輸入の材料費が値上がりしています。大手企業は大量購入によるバイイングパワーがあるため、価格交渉であまり影響を受けませんが、中小企業はもろに影響を受け、原価が上昇し、利益が減少しています。

その状況で消費税を上げた場合、大手は下請けの中小企業にその負担を求めますが、中小企業は自社でやりくりするしかありません。

さらに、大手企業は、輸出比率が高いため、円安により売上が上がりますが、中小企業は国内比率が高いため、円安が売上に影響を与えません。

その結果、中小企業は、売上が横ばいか減少したところに原価上昇というダブルパンチで利益が減少します。中小企業の景気がさらに悪化する可能性があります。

この本での一番の収穫は、渡邉哲也さんや三橋貴明さんの主張が大手メディアに属する田村秀男さんからも認められていることがわかったことです。ご両人の書籍はわかりやすく、納得行くものだったのですが、大手メディア側からの意見を聞いたことがなかったので、本書により信頼度が増しました。

2014年1月25日土曜日

232.「図書館危機」 有川 浩

図書館戦争シリーズ第3弾。
3作目にしても内容が薄まることなく、筆力が落ちていません。

郁の想いも、6年前に自分を助けてくれた王子様から堂上へと徐々にですが、確実に移っていきます。
手塚も本人に自覚がないまま、柴崎への想いを募らせながら、全てを打ち明けてくれない柴崎の態度に苛立ちを抱きます。

図書隊を創設し、これまで率いてきた稲嶺司令官も本巻で退任です。稲嶺司令官のモデルは、俳優の児玉清さんだそうで、映画版の「図書館戦争」では、児玉さんがすでに亡くなっており、児玉さん以外のキャスティングは考えられないとして、稲嶺の役がありません。

第4作では、稲嶺が去った後の図書隊内での原則派と行政派のバランスの乱れや、本作で2つも汚点を残した良化特務機関の逆襲が気になります。
これが完結編となります。



2014年1月24日金曜日

韓国映画「彼女を信じないでください」


2004年公開の古い映画です。

詐欺の罪で服役していたヨンジュは仮出所中に電車の中でヒチョルと同席します。

ヒチョルが恋人に渡すつもりだった指輪を掏られたのを見たヨンジュは、電車から降りてスリから指輪を取り返しますがその間に電車が出発し、電車の中に結婚する姉のために作ったデコイが入ったカバンを忘れてしまいます。
途方に暮れたヨンジュは、カバンを取り戻すためにヒチョルの家に行けば行きますが、ヒチョルの家族から恋人と誤解されて・・・

初めは画像も古臭くあまり期待せずに見始めましたが、どんどん引き込まれて、最後は感動しました。嘘つきなヨンジュがどんどん正直で可愛くなっていき、頼りなく暗いヒチョルがヨンジュと一緒にいるうちに明るくしっかりとしていく。

田舎の何にもないけど美しい風景と、おせっかいだけど温かい家族に囲まれて二人が惹かれ合っていく姿がよかったです。


231.「セクシィ仏教」愛川純子、 田中圭一

人間社会の中て、性欲が一番の悩みの根源。

性欲を抑えるためにはどうしたらいいのか、性欲を抑えられなかった場合、どういうことになるのか・・・



仏教はそうした悩みに向き合って来ました。

本書は、仏教の経典や仏教説話に書かれた性欲にまつわるエピソード集です。仏様、僧や尼の生々しい欲望が現れていて面白かったです。






2014年1月23日木曜日

230.「ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係」吉田 重人、 岡ノ谷 一夫

この本を読むまで、ハダカデバネズミを知りませんでした。それにしても、この名前(裸、出っ歯、ネズミ)はそのまんま、この生物の外観を表しています。

このネズミの生態から、貴志祐介さんの「新世界より」に出てくる「バケネズミ」のモデルではないかと思いました。

デバは、大勢の仲間とトンネルを掘り、一定の秩序の元に生活しています。平均80匹、最大300匹のデバが、3Kmにもトンネルで暮らしています。

繁殖に関わるのは、たった一匹の女王デバと一~三匹の王様デバのみで、生まれた子どもが王様デバとなり、またその女王デバと交尾を繰り返していきます。

その結果、どんどん血が濃くなり、仲間全員が親戚同士となります。その中で、役割分担した方が遺伝子の存続に都合がよいため、一匹の女王、数匹の繁殖オス、数十匹の働きデバと兵隊デバが構成され、秩序を持った社会を形成します。

哺乳類でこうした真社会を構成するのは非常に珍しいそうで、とても面白かったです。



2014年1月22日水曜日

229.「フライト・ゲーム―高校生が自分と向き合うための18の方法」 松葉 健司

フライトのパート(勉強)とゲームのパート(運動)があり、小説仕立てで高校生が直面する悩みに指針が与えられます。

最近の子どもには夢がないと言われますが、自分が子どもの頃にも明確な夢はなかったように思います。ただ、社会が成長していたので、夢がなくても企業に入れば何とかやっていけただけでした。

今では、企業に入ってもいつ辞める時がくるかわからないし、そもそも企業に入るのが難しい時代です。そうなると、夢の有る無しが注目され、夢がないと生きづらい社会になっているのではないでしょうか。

本書は、高校生に向け悩みに順位づけや夢の見つけ方を教えてくれます。
「夢の見つけ方まで教わる必要があるの?」と思うかもしれませんが、実はこれがわからないで困っている人も多いと思います。

高校生にとって、自分の生き方の指針を見つける、よい指南書だと思います。




2014年1月21日火曜日

228.「ひざの痛み (生活実用シリーズ NHKここが聞きたい!名医にQ) 」

昨年末、膝が急に腫れて病院でMRIを撮ったところ、半月板損傷と診断されました。それを治すために本を探しました。

薄い本ですが、きれいな図などでとても分かり易く説明され、必要十分な情報が記載されています。

膝の痛みは、まず、保存療法(運動療法等)で治し、それでも痛みがおさまらない場合に手術を検討するそうです。

歩行中、膝には体重の2倍の負荷がかかるので、5Kg減量すれば、膝への負担は10Kgも軽減されるそうです。

膝の動きに関わる筋肉を鍛えると、膝関節に直接かかる負担が減るため、痛みが軽くなります。特に重要なのが大腿四頭筋で、これは歩行時に膝にかかる負担を吸収するとともに、膝の曲げ伸ばしに関わる筋肉です。

正座は膝を深く曲げる動作なので、急性の痛みや腫れが無い時は、膝のストレッチとして最適です。特に湯船の中で正座するのが効果的だそうです。

早速、減量と筋トレを始めました。





2014年1月20日月曜日

227.「文系?理系?―人生を豊かにするヒント」志村 史夫

人物を文系・理系と区別するのは、日本特有ではないでしょうか。しかも、大学卒業者に限られます。あまり意味がないように思えますが、採用時やキャリアパスなど結構大きな影響があります。

本書は、文系と理系を分けるのは、数学嫌いと歴史嫌いにあるといいます。確かにそうだと思いました。自分も数学が苦手だったため、いわゆる文系に進みましたが、科学は嫌いではありませんでした。

著者は、数学は物事を論理立てて考えるトレーニングになると言います。文系と理系の壁が取り除かれれば、もっと知識に広がりと深みがでて、人生がより楽しくなるかもしれません。



2014年1月19日日曜日

226.「疑問論」 安田 佳生

タイトルからは、どういう内容か分からず読み始めました。著者が会社(ワイキューブ)を倒産させてから1年間の間に考えた、人生についてのエッセー集です。

内容については、うなずける部分、うなずけない部分があり、本当に一個人の考えというところです。

会社をつぶした後にも関わらず、プレジデント社という大手出版社から本を出版できるとは、著者が人間として買われている証左だと思います。



2014年1月18日土曜日

225.「レインツリーの国」 有川 浩


同じ著者の「図書館内乱」の中で発禁対象となった架空の本。図書館内乱とのコラボレーションとして企画され、同書の発売後に出版されました。

この本自体も「フェアリーゲーム」という本がきっかけとなり始まります。物語のなかに別の物語を入れるという構造に著者の頭のなかの世界観の豊かさに驚きます。

「聴覚障害」には、中途失聴、難聴、聾、聾唖があり、それぞれのコミュニケーションの方法が異なるということは、全く知りませんでした。あまり知られていない世界を調べあげて、その世界を分かり易く描くという著者の力量に感服するとともに、知らない世界を実体を伴って知ることができるというのが小説の魅力だと思いました。

聴覚障害者の恋をその心の傷や障害を含め、非常にうまく描かれています。図書館内乱で小牧が毬江にこの本を薦めた心情を思い量り、切なくなりました。

「レインツリーの国」というサイト名をひとみが付けた理由も最後に明かされ、胸にささります。本当にこのサイトを立ち上げたことが「レインツリーの国」への入り口になったと思いました。



2014年1月17日金曜日

224.「凡人でも面白いほど進化する成功手帳術」下川 浩二

サラリーマンだった「下川浩二」さんが、どのようにして、手帳の制作販売、小冊子マーケティング、筆文字、セミナーを実施する「宇宙のしもやん」になったか、よくわかりました。

手帳については、目標をビジュアル化する(ビジョン)、成功の7つの習慣(刃を研ぐ)等、コビーさんの7つの習慣に重なる部分もありますが、「今日書いたハガキの数」、「成功体験を3つ書く」等、独特な部分も多いです。
しもやん手帳のサイズはA5と非常に大きいですが、コビー手帳よりも面白く使えそうです。

しもやん手帳を使っていない人でも、いろいろとヒントに溢れる本です。



2014年1月16日木曜日

223.「「心理戦」で絶対に負けない本 実戦編」 伊東 明、 内藤 誼人

実戦編とあるので、前作のノウハウの具体的な使用例などが書かれていると期待していましたが、期待はずれでした。
前作とは殆ど関連のない事例ばかりで、全く別の本です。

かえって前作の方が、実戦的でした。本書は実例を多くしたために実戦編とうたっているようですが、実際に使えるという意味では実戦的ではありません。

内容が別の本でも、評判のよい前作と同じメインタイトルを付けるというのも、「心理戦で絶対に負けない方法」なのでしょう。



2014年1月15日水曜日

映画「ゼログラビティ」

前から気になっていたので、上映スケジュールを見ていたら、なんと上映館であるTOHOシネマズ六本木ヒルズは、毎月14日は、入場料が1,000円ではないですか。この映画は3Dでみるべきなので、追加の400円を払っても、1,400円で済む。これは見るしか無いと思い行ってきました。

TOHOシネマズ六本木ヒルズには初めて行きましたが、綺麗でとても広くて快適でした。作りがサンフランシスコで行ったシネコンのようでした。

映画自体も素晴らしいものです。正直言って、ストーリーは殆どありませんが、最後までグイグイ引きこまれました。3Dは強烈な印象を与えるものではありませんが、無重力空間でネジや水滴が浮遊するのを見ることができました。

この映画は、映画館、しかも3Dで見ないと面白さが半減すると思います。いい映像体験をしました。

222.「顔のない独裁者 「自由革命」「新自由主義」との戦い」 さかき漣

経済評論家の三橋 貴明さんが企画、監修しているので興味を持ち、読みました。

序盤は、尖閣諸島、日米安保条約、憲法改正、新自由主義、規制緩和と、現在日本で話題となっている問題について悪い方向に進んだ場合のシミュレーションが描かれます。

弁護士(弁理士)などの国家資格も自由化の波で、非関税障壁とみなされ、廃止等により日本語が不自由な弁護士(弁理士)であふれるという描写がありますが、これはTPPによっても起こり得ることだと思いました。

一票の格差是正のための大選挙区制や道州制の導入などがことごとく、かえって地方の格差を拡大させており、今の制度の方がまだよいように感じられました。

小説としては、描写が単純で、御都合主義で出来事が起こるため、薄っぺらい感触を受けましたが、政治問題を易しく伝えるためには、しかたがないのかもしれません。



2014年1月14日火曜日

221.「地ブランド 日本を救う地域ブランド論」 博報堂地ブランドプロジェクト

ブランドの定義から、地域ブランド創りのやり方までを教える入門書。

巻末には、「地ブランド 」キークエスチョンという質問集があり、これに答えていくと地ブランド創りを進めていく歳に要となる「ポイント」について考えることができます。



2014年1月13日月曜日

220.「エロティック・ジャポン」 アニエス・ジアール

フランス人ジャーナリストによる、日本性文化論。

外国人から見ると、日本のエロティクカルチャーは、独創的でバリエーションが非常に多いそうです。そして、ブルセラなどはとても奇異に写る。その根源を「羞恥」と「以心伝心」にあると分析しています。。

江戸時代までは、日本の銭湯は混浴で、お互いの裸に興味を持っていなかったそうです。これを見た西洋人は不快感を示しました。明治時代になって、政府は、関税不平等条約が解消されない原因は、西洋人が日本を文明国とみなしていないことと考え、国民が公衆で裸体になることを禁じました。これが逆に日本にのぞき見趣味を生み出してしまったそうです。

歌舞伎には女役者がいませんが、これは、1629年に幕府が禁止したためです。その結果、優男達が女役を演じるようになり、彼らはこれに伴い、子供の頃から身を売られ、春はひさいでいたそうです。後に若者が女役者を演じることも禁じられ、現在のようにお年を召された男性が女役を演じるようになりました。

日本の古代から現代に至る歴史や文化をくまなく調べあげ、文化、伝統の検知から日本の性風俗を分析、解析しています。日本人でありながら知らないことばかりでした。



2014年1月12日日曜日

219.「虚の王」馳 星周

ヤクザを殺して少年院に入った隆弘は、そこで精神的に屈服させられ出所します。報復を恐れたためにかつて自分が叩きのめした紫原の手下となり、渋谷で覚醒剤の売人となります。

隆弘は、高校生ながら高校生売春組織を束ねる栄治に巡り会います。栄治の空虚な毒に蝕まれた隆弘は一気に破滅への道を突き進んで行きます。

最後まで一気に読み進めました。
しかし、物語が単一で複層感がありません。出来事が一直線上に次々起こっていきます。

一つの街の暗闘をテーマにした「不夜城」、
サイコをテーマにした「悪の経典」、
少年院での精神崩壊を描いた「空白の叫び」、
と比べると、少し物足りなかったです。





2014年1月11日土曜日

218.「「食べない」健康法」 石原 結實


「少食健康法」の本です。
一日一食か二食にすることにより、体重を減らし健康になるという方法です。

基本は、朝は人参・リンゴジュースや生姜紅茶、昼はそば、夜は自由に食べるというメニューです。昼のそばを抜くと一食になります。
お腹が空いたら、黒飴をなめたり、チョコレートを食べたりします。

私も朝食は食べませんが、体重が増加してきたので、一日一食に挑戦してみようと思います。




2014年1月10日金曜日

217.「糖尿病に負けへんで−読んで歩いて測ってガマンの3年間 」高藤 志津郎


私は糖尿病ではありませんが、図書館でなぜか目につき手にとったところ、やけに気になる内容だったので読んでみました。

著者は糖尿病を再発した後、糖尿病に関する多くの本を読みあさり、糖尿病は遺伝ではなく、自分で治せる病気であると確信します。

「糖尿病の話」の152ページを開いてみると、糖尿病の発症にはいろいろあるが、そのうち最も多いのは肥りすぎである」と書かれていました。
続いて読み進めると、「この肥りすぎを解消するには、何をおいても体重の減量しかありません」とあり、
「体重を調整すると薬を用いなくてもそれだけで糖尿病はよくなります。」
とはっきり書いてあるじゃないですか。

そして、減量する意思を継続するためには、人から教わるのではなく、本を何度も読み直し、内容に納得して、自分の腹に落としこむことだと気付きます。

「誰かに教えてもろた」
ここですよ。やっぱり「教えてもろたではダメだと思います。それが自分を弱くしてしまうからです。
黙った本の読了です。解読です。自分自身で読み取りつかみとることです。

こうして著者は、食事のコントロールと運動により73Kgあった体重を46Kgまで落し、薬から脱却して糖尿病を治すことに成功したのです。

この食事と運動は、糖尿病のみならず様々な病気に効果があるものと思いました。
また、そういった方法に辿り着くために多読が有効であったことから、読書の有用性を更に確信しました。



2014年1月9日木曜日

216.「不肖・宮嶋 死んでもカメラを離しません」宮嶋 茂樹

カメラマンとしての情熱と執念に恐れ入りながらも、失禁した部分ではこらえきれずに笑ってしまいました。

カメラマンの仕事を知っているようで、実はあまり知りませんでした。
私のイメージでは、スタジオでモデルを撮影することや、戦場で戦闘を撮影することぐらいでした。

しかし、東京拘置所の麻原死刑囚を撮影するため、様々なスポットを探し、大型トラックまで借りて張り込んだり、三里塚闘争のまっただ中で機動隊に袋叩きにされた挙句、乗ってきた車を廃車にされたりと、想像できないほど過酷なものでした。

「乞食とカメラマンは3日やったらやめられない」と言われるそうですが、とてもあこぎで非常な世界でした。







2014年1月8日水曜日

215.「お前たちの中に鬼がいる」 梅原 涼

架空の世界と現実の世界が存在し、架空の世界は個人の妄想ではなく、6人が共有している。
6人のうち5人は牢獄に繋がれ、1人だけが牢獄の鍵を持ち、自由に動き回れる。その中でヒントを探し、協力者を選んでそのゲーム空間から脱出するというのが主な筋。

架空の空間が存在する理由などは、全く明かされませんが、あまり違和感を持たないで楽しめました。6人が過去のトラウマと向き合い、それを乗り越えるというメインテーマと、トラウマによって引き起こされた哀しい愛の形が心に残ります。

本書はもともと、Amazonの電子書籍として個人出版されたものですが、非常に評判がよく、出版社から書籍化されました。筆者は他に仕事を持っているそうですが、これが初めての書籍とは思えないほどよくできています。
こうした電子書籍での個人出版により世に出るという形式は、これまで世に出る機会がなかった才能ある人に道を開く新しい機会となるものです。

紙版用に1995年のストーリーが書き起こされていますが、それが2013年のストーリーに希望を与える形で終わっているのがにくい構成でした。



2014年1月7日火曜日

214.「64(ロクヨン) 」横山 秀夫

647ページの超大作。昭和64年に起こった少女誘拐事件をもとに、その14年後の
D県警察内の暗闘を描いています。

登場人物一人一人の性格、経歴、悩み、希望がしっかりと書き込まれています。単一の事件を扱った内容ではなく、事件を中心に置いた複層的な人間ドラマです。

組織内の派閥争い、出世競争、夫婦関係、子供との葛藤など、人が生きていく上で遭遇する様々な欲望や悩みが、非常に現実的で自分の人生に引き寄せられて考えさせられました。

過去の誘拐事件事態も予想できない展開で話がすすみ、結末を迎えます。とても重厚で心に残る作品でした。







2014年1月6日月曜日

213.「夢を叶(かな)える―不可能を可能にする自立型思考のバイブル」 福島 正伸

環境や他人が自分の人生を決めることはできない。自分の人生を決める権利は、すべて自分が持っている。

自分が楽をしようとすると、すべてのことが困ったことになる。自分が成長しようとすると、すべてのことがありがたいことになる。

自分の人生を輝かせることができるのは、自分だけである。自分を輝かせるために必要なものは、すでに自分が持っている。

自立型思考は、以下の5つに分けて考えることができます。
1.自己原因:根本的な原因を自分自身に見出す
2.自己依存:他に期待せず、自分自身に期待する
3.自己管理:自らの可能性を最大限に発揮する
4.自己評価:本物、一流を目指してとことんやる
5.他者支援:他人を信頼して支援する

夢を叶えるには、依存型思考ではなく、自立型思考となることだそうです。この本を読んでみると、どうも私は依存型思考が強いようです。

自立型思考になるためには、自分の発言を変えることだそうです。使う言葉を変えていきたいです。

(青色部分は、本書からの引用です)