2014年4月30日水曜日

333.「プロフェッショナルマネジャーの仕事はたった1つ」 高木 晴夫

プロフェッショナルマネージャーの仕事は、「情報を獲って来て配ること」だそうです。

そうすれば、部下は配ってくれた上司のことを「(貴重な情報をくれる)よい人だ」と考え、上司への求心力が高まるそうです。

この「配る」マネジメントを日常的に心がけていると、3つの経営能力、「コンセプチュアル・スキル」、「ヒューマン・スキル」、「テクニカル・スキル」を伸ばしていけるとのことです。

経営の専門能力は、自分で勉強しながら身につけることができるそうです。
すなわち、読むべき本を読んで、毎日の職場でたくさんの仕事を経験することによって身につきます。

当たり前のように思えますが、基本の行動を継続していくことですね。

332.「2014年 世界連鎖破綻と日本経済に迫る危機」 三橋貴明

日本だけではなく、世界中に蔓延する「新古典派経済学」。

その手法は、自由貿易、規制緩和、移民受け入れ、消費税増税、法人税軽減、非正規雇用、小さな政府です。

その結果は、価格競争となり、コストカットのため、資本や工場が海外に移転し、正規社員が非正規社員となり、起業促進という名目のために、解雇制限緩和、扶養控除撤廃が導入されます。

つまり、多くの国民が安定した仕事を失い、定収入に陥り、安全な社会基盤が損なわれ、社会不安を引き起こすということでしょうか。

2014年のその方向へ進んでいるように見えます。

2014年4月29日火曜日

331.「凡人でもエリートに勝てる人生の戦い方。」 星野 明宏

確かにこの方法ならエリートに勝てると思いました。

特に以下のポイントが気に入りました。
1. 立ち位置を探す
2. 特長を作る
3. 発想で勝負する

「肩書や地位は、自分をプロデュースしていく過程で付随するものにすぎません。凡人がやることは、ただひとつ。
そのときにいる環境の中で、自分をプロデュースしていくこと。
どんな環境に置かれても、それを守りさえすれば、道は拓けるはずです。」
という著者の主張が印象に残りました。

2014年4月28日月曜日

330.「サウダージ」 垣根 涼介

ヒートアイランドシリーズ第三弾です。

著者の作品には、捨てられて移民の話がよく出てきます。本作でも、ブラジル移民二世の耕一が登場します。

ブラジルでも日本でも同胞と見做されない耕一は、いじめを繰り返す職場の先輩を殺めてしまいます。偶然だったのですがそのことで裏の顔を持つこととなり、その影を理由に柿沢にチームを追放されてしまいます。

まともな仕事につけない耕一は、柿沢から教わったギャングのテクニックを使い、強盗を繰り返すようになります。

そんなある日、馬鹿で破天荒なコロンビア人のDDと出会い、その天真爛漫さが徐々に耕一を変えていきます。

男性が付き合う女性によって、新たな物の見方や、相手を思いやる気持ちが生まれていくことをサブテーマにした作品です。

2014年4月27日日曜日

329.「面白いけど笑えない中国の話」 竹田恒泰

まさにタイトルの通りです。

死んだ豚6,000頭を川に捨てた話や、3,300億円を蓄財した温家宝の話など、信じられない話ばかり。しかし、新聞記事をベースに話されているので、信憑性が高い話です。

複数の新聞記事をつなぎ合わせて、中国人の思考を浮き彫りにした著者の知識と構想力に感服しました。

中国のことを考えるとき、どうしても日本人としての常識を前提に考えてしまいますが、全く違う生き物として考えた方がよいように思えました(あくまで個人によりますが)。


2014年4月26日土曜日

328.「カリスマ先生の地理―7日間で基礎から学びなおす」 山岡 信幸


地理と言えば、各地の気候と産業を概観するものと思っていました。

しかし、この本は、それに加えて、宗教、歴史、紛争、現在抱えている問題まで、簡潔かつ明確に記載しています。

自分がいかに世界を知らなかったかに気付き、世界に目を向けてこなかったことを反省しました。

こういった本をたくさん読んで、視野を拡げなくてはと決意しました。


2014年4月25日金曜日

327.[鬱姫 なっちゃんの闘鬱記」 杉山 奈津子

ベストセラー「偏差値29の私が東大に合格した超独学勉強法」の著者であるなっちゃんの闘鬱記」です。

前作では、自分の状況を客観視して、受験というものを俯瞰したうえで、東大合格の方法論を確立していました。正直、舌を巻きました。

この本を読んでわかったのは、鬱病のために自己に問いかけることが多かったため、自己を深堀りできたのだということです。また、勉強に集中できたのも、鬱病や失恋、友達関係から逃れるのに勉強が最も適していたからでした。

彼女は、東大に合格しても、それだけでは決して幸せではありませんでした。ただ、同級生に鬱病の人が沢山いたので安心はできました。

しかし、卒業時には就職も進学も決められず、ニートになります。そんななか、母親のやさしい対応と、自分に合った医師によって徐々に回復していくのでした。

この本は、自分の鬱病体験を赤裸々に語っているので、読んだ人は、鬱病の人の理解できない行動が少し分かるようになると思います。

また、鬱病の人は、どうしたらいいのか分からない自分の感情が鬱病の人にとっては、特別なものではないと知って、安心するのではないでしょうか。

落ちのあるマンガなので、気楽に読めますが、最後に感動してしまいました。母親の愛情とは、かくも深いものだと感銘を受けました。


2014年4月24日木曜日

326.「境遇」 湊 かなえ

作中に出てくる絵本が実際についている「絵本付特別版」を読みました。本体を読みながら絵本を読むと小説と現実がリンクした気持ちになります。

本体は、内容の鍵となる2本の青いリボンを模した栞紐が2本ついてます。珍しいです。

親友である晴美の大切な話を、ひょんなことから絵本にした陽子は、その本がベストセラーとなり、一躍有名人に。

そんなある日、陽子の息子が誘拐され
「シンジツヲ コウヒョウシロ」
との脅迫状が届く。

犯人が望む「シンジツ」とは・・・。

私は、途中で犯人に気付いてしまいましたが、それでもとても面白い作品でした。


2014年4月23日水曜日

325.「高校入試」 湊 かなえ

383ページという長編でしたが、一日で読みました。面白かったです。

今回も、一つの出来事を複数の人物から語らせ、立体感を生み出しています。その上で、インターネットの掲示板への書き込みを挟むことで事件にスピード感を与えています。

高校入試が持つ問題点を核に、地元の名門高校卒業生に対する憧れや拘りが生み出す、地域の歪みを描いています。東京では、こういった歪みはあまりありませんが、地方では、卒業大学よりも卒業高校を誇りに思い」、人脈もつくられる構図が、今でもあるようです。

問題となっていた高校入試の不備は、結局ちょっとした工夫で解決できそうなものでした。そこから解き放たれた登場人物達の今後に期待を持たせる、清々しい結末でした。


2014年4月22日火曜日

324..「大事なことは3秒で決める! 資金ゼロから3億つくる“反常識”発想法」 午堂 登紀雄

著者が考える成功への方法論です。

著者の体験意外に根拠がないので反復性が不明で、真似をしたからといって効果があるか分かりません。

著者自身を成功者という前提で書かれていますが、読者にとって、彼が成功しているかどうかは判断が分かれるところです。

本の最後には、成功者の資質の一つは、「素直さ」と強調して、本書への疑問や批判を封じて、疑いを持たせないようにしているように見えました。


323.「暗号名はマジック―太平洋戦争が起こった本当の理由」 小松 啓一郎

日本軍の暗号を解読するまでの経緯や、その暗号がどう使われたかの本だと思って読み始めましたが、誤訳と比較文化論に関する本でした。

著者は、米国が解読した日本の暗号は誤訳が多かったため、それが日米開戦に大きく影響したと主張しています。つまり、日米ともに戦争を回避しようとする姿勢もあったという前提です。

私は、米国は開戦を望んでいたという立場に立つので、誤訳があってもなくても、開戦には影響がなかったと思います。

確かに解読された暗号は重要な情報ですが、それは戦闘に使われ、戦略には使われなかったと思います。正確に翻訳されていれば開戦は防げたとは思えません。



2014年4月21日月曜日

322.「紙の月」 角田 光代



2014年に原田知世さん主演でドラマ化され、
2015年に宮沢りえさん主演で映画化される原作です。

一億円を横領した中年女性を中心に、彼女と関わりがあった人物も詳細に描き、彼女がなぜ横領するにいたったかを綿密に記述していきます。

横領した梨花はもちろんのこと、倹約家の木綿子、買い物中毒の亜紀、お嬢様育ちの牧子・・・皆、お金に振り回されていきます。

社会の風潮と言ってしまえばそれまでですが、社会が豊かになり、格差が生まれ、不必要なまでの美食、自分をランク付けするための服飾、安易な消費者ローンが、人間を浪費に追い立てるのかもしれません。

梨花は、皆が貧しいタイのチェンマイでお金では得られない自由を感じます。しかし、その時にはすでに犯罪に対する罪悪感が徐々に彼女を蝕み、どこに行っても逃げられない拘束となっていきます。

「母親のも妻にもなり損なった、そればかりか、自分自身にすらなり損ねている頼りない女」
と亜紀が自分を表するように、自己の満足感を物やお金に求めると、自らも見失ってしまうということでしょうか。


2014年4月20日日曜日

321.「凶悪―ある死刑囚の告発」 「新潮45」編集部

映画では、3件の殺人事件しか描かれていませんが、実際には12件の殺人計画がありました。まさに、事実は小説よりも奇なりです。

映画で、リリー・フランキーさんが演じた”先生”は、凡庸な風采の中に狂気をはらんでいましたが、写真の”先生”は、本当にごく普通のオジサンです。そのオジサンが、死の錬金術をあやつり、人の死をお金に変えていく姿は背筋も凍る思いです。


2014年4月19日土曜日

320.「愚韓新論」 三橋貴明

1965年の日韓基本条約により、日本は韓国に無償で3億ドル、有償で2億ドル、民間借款として3億ドルの計8億ドルを供与した。
これが漢江の奇跡の原動力となっていることを、多くの日本人や韓国人は知りません。

現代の韓国の若年層の8割近くは働いていません。では、何をしているのかというと、ニートです。15歳から34歳の若者世代のうち、100万8,000人が仕事を持たず、求職活動をしていません。
このような状況にかかわらず、日本の経済会は、韓国を見習えと、TPP参加を後押ししています。

本書は、韓国の近代の歴史が簡潔にまとめられ、とても分かりやすいです。なぜ日本が韓国を併合しなければならなかったか、どのような施策を施したのかよく理解できました。

また、従軍慰安婦についても、証拠を示して、存在しなかったことを明らかにしています。


2014年4月18日金曜日

319.「すべては朝日新聞から始まった「慰安婦問題」」山際澄夫

「慰安婦」は、日本軍に所属する「追軍売春婦」に他ならないと、著者は主張します。

その根拠は、米陸軍情報心理作戦班が1944年8月にビルマで捕らえた20人の朝鮮人「慰安婦」の尋問報告書です。

日本軍兵士の給与が月15から25円程度の時に、彼女達の給与は月750円程度でした。

規律正しかったように思える米軍ですが、日本進駐後、最初の10日間、神奈川県だけで、1,300件の強姦事件を起こしています。

韓国軍自体は、ベトナム戦争で集団強姦を行っており、3万人を超える「ライダハン」と呼ばれる混血児が生まれています。

どれも知らなかった情報で、新たな観方が増えました。


2014年4月17日木曜日

318.「なぜ「反日韓国に未来はない」のか」 呉 善花

韓国は、朴正煕時代、中国は江沢民時代の共に1993年から反日政策を展開してきました。

著者は、この政策に対し、
「放っておけばいい。無視に距離を縮めようとうはせずに、距離が開いたままで付き合っていけばいい。」
と言います。

私も同感です。現時点で日本が歩み寄っても、韓国からさらに非難されるだけです。ここ1~2年でやって来る、韓国、中国の金融破綻時には協力するとともに、それを明らかにすればいいと思いました。


2014年4月16日水曜日

317.「ギャングスター・レッスン―ヒートアイランド〈2〉」 垣根 涼介

ヒートアイランドの続編です。

前作の主人公アキが、前作では対立していた柿沢と桃井のチームに加わり、ギャングとしてのテクニックを教わっていきます。


デビュー戦の前に練習では、首尾よく現金を手に入れるが、デビュー戦は・・・

とてもテンポよく話が進むので気持よく一気に読めました。

次回作も楽しみです。


2014年4月15日火曜日

316.「仕事休んでうつ地獄に行ってきた」 丸岡 いずみ

フリーアナウンサー丸岡いずみさんの半生記。

新卒時から日本テレビの女性アナウンサーと思っていました。

しかし、元々は元北海道文化放送に入社し、日本テレビに中途入社、捜査一課担当の報道記者も経験している骨太な人です。

この本を読んで、これだけ激務で辛い状況に遭遇すれば、どんなに明るい人でもうつになるなと思いました。

うつ病時代の有村昆氏のやさしい接し方に、イメージと違った奥深い思慮を感じました。


2014年4月14日月曜日

315.「頭がよくなる! マンガ勉強法」 本山 勝寛

著者は、東大とハーバード大学院を卒業した秀才です。

この著者も大学時代に約1,000冊の書籍を読破したと言っています。
複数の優秀な方が、一定期間内に1,000冊の本を読んだと述べていますが偶然でしょうか。

本書では、ビジネス・経済、会計、政治、日本史、世界史、英語と分野を分けて、多くのマンガを紹介しています。そのいずれもが面白そうです。

さらに、マンガ→小説→入門書→専門書といって読書で知識を深めることを薦めています。

それぞれのマンガについて、その内容を発展させた書籍も紹介されていて、大変参考になりました。


2014年4月13日日曜日

314.「大学受験らくらくブック 古文―点につながる!コツがわかる! 」酒井 良太郎

古文は取っ付きにくいのですが、なかなか楽しく読めました。

文法が詳しく書いてあるので、何度も読み直せば基礎固めになると思います。


古文に苦手意識がある人には入門書として有効だと思いました。

2014年4月12日土曜日

313.「小関式 心とカラダのバランス・メソッド」 小関 勲

スポーツを深くやっていない人にはピンと来ない内容かも知れません。

バランス感覚について非常に哲学的に解説しています。


バランスボートに、大変興味を持ちました。自分でも購入してみたいと思いました。


2014年4月11日金曜日

312.「資格を取ると貧乏になります」 佐藤 留美

弁理士として、とても面白く勉強になる内容でした。

弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士という国家資格の実態がレポートされていますが、どの資格も持っているだけ食える資格ではなくなりました。

それどころか、取る過程や維持にとてもお金がかかってしまい、逆に借金ができてしまうほどです。

弁護士の平均年収は、680万円。
しかし、全体の4割は、500万円以下。
100万円以下が4,000人もいるそうです。

原因は、主に2つ。
  • 試験制度改革による合格者の急増
  • 報酬規定廃止による価格競争
資格保持者は、コツコツ勉強することが好きなので、合格後も他の資格を目指すケースが多いです。私自身もその魅力を感じますが、実際には、他の資格をとっても借金を増やすだけで、収入は増えないとわかり、戒めになりました。

社会保険労務士の須田さんという方が文中で
「私のお薦めは、営業が強いことで有名なリクルートの契約営業マンでもなって、飛込み営業をたくさん経験すること。」
とおっしゃています。

私はリクルートで14年間、飛び込みを含め営業をやっていたので、その経験って結構得難いものなのだなと感謝しました。




311.「若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす」 濱口 桂一郎

日本の就業の仕組みでは、新卒時に採用される場合がほとんどで、しかも、何ができるかは問われません。
何でもできる潜在能力が期待されます。

よって、特定の分野に変に知識があるよりも純粋無垢な人材が求められます。

そして、その判断は、大学受験時の学力によって潜在能力が評価されます。

欧米と企業に対する考え方が根本から異なるため、採用方法や、給与制度も異なります。

欧米:【ジョブ型社会】→欠員補充方式→職務給
日本:【メンバーシップ型社会】→新卒定期採用方式→職能給

日本はメンバーシップ型社会であるため、人に仕事を当てはめます。そのため、他のメンバーとの仕事の境界が曖昧です。

また、新卒定期採用方式を採っているため、新卒時に就職できないと、非正規労働者となり、正規労働者となれる機会は、非常に少なくなります。

正規労働者となった場合は、社会保障や終身雇用が与えられる代わりに、長時間労働、転勤、低賃金に耐えなければなりません。

ところが、非正規労働者が大量に滞留し、企業にとって使い勝手がよいため、企業がブラック企業化しました。

日本の雇用制度の変遷と問題点が明らかにされていて分かりやすかったです。



2014年4月10日木曜日

310.「脳を「見える化」する思考ノート」 午堂 登紀雄

前半では、ノートが優れた発想媒体であることを繰り返し説明しています。

具体的な手法は、要素を線でつなぐMECEです。

「思考ノート」という一つの手法があるわけではなく、ノートに記載する際のいろいろなやり方をまとめて提示しています。

テーマは、発想法、目標管理、行動管理、一人ディベート、メンタルマネジメント、お金、ダイエット、資格試験です。

ノートの最大のデメリットは、検索性がないことです。著者は重要な部分を破って新しいノートに貼っていますが、決定的な解決方法ではないとのことです。

私もノートの検索性について、よい解決方法を見つけたいです。


2014年4月9日水曜日

309.「ケースブック 経営戦略の論理 〈全面改訂版〉」 伊丹 敬之

姉妹版の「経営戦略の論理」という論理編の理論をケースに落とし込んだものです。AKB48からトヨタまで幅広いケースが紹介されています。

ただ、気になったことは、「基本情報が週刊誌等中心であること」と「良い点しか書かれていないこと」です。週刊誌等の記事にする段階ですでに情報にフィルターがかかっていて、後付のよい話しか載っていない可能性があります。また、ケース自体良い点ばかり列挙されていますが、問題点も必ずあるはずです。

大企業のケースが殆どであるため、これを読んで個人的に応用できるというものではありません。ビジネスモデルを自分に沢山ストックして、何かの時にアイデアとなるという効果が期待できます。



2014年4月8日火曜日

308.「創造のちから―「不思議な企業」林原の発想」 牧野 昇

林原は、大企業ができないものを創りだすということに特化し、量産や全国販売などは、大企業に任せて共存共栄を図っています。量産、販売体制を整備することは、そのまま企業規模の拡大を意味します。

大勢の技術者を雇うことはできるようになりますが彼らのエネルギーの大半は、消費者からのクレーム対応等、目の前のことに向けられてしまいます。

また、工場ラインの莫大な設備投資等のコストなど、会社が大きくなればなるほど、それを維持していくための経営も大変な労力を要することになるのです。
そのために、林原は研究開発に特化したマネジメントに専心し、得意なことは得意なところに任せています。

林原社長の
「会社のなかでうまく人と接していくためには、仕事のこと以外はお互いに立ち入らないようにすることを心がけるかとが重要なのです。」
と言います。
それは、
「お互いに共通点だけ接して、他のことに立ち入らないようにすれば、たいていのトラブルは回避できます。」
という処世術です。確かにその通りだと思いました。


2014年4月7日月曜日

307.「少年弁護士セオの事件簿 (2) 誘拐ゲーム」 ジョン グリシャム

シリーズ第2作目。
前作と同水準の面白さです。

1作目に登場したエイプリルが突然失踪し、セオがその行方を追います。
1作目でエイプリルが悩んでいたことが事件の発端となっているので、このシリーズは当初からシリーズ化の予定でスタートしたことが伺えます。

iPadを持っている子が仲間内で一目置かれていたり、追跡手段にFacebookが使われたりと、現代のアメリカの風習がよく現れています。

司法取引や、刑務所が州ごとに運営され囚人の移動も可能であることが興味深かったです。



2014年4月6日日曜日

306.「これだけ! プレゼンの本質」 野村 尚義

著者は、プレゼンテーション専門のコンサルタントです。
研修でつちかったノウハウを惜しみなく公開しています。

本質というタイトルだけあって、プレゼンテーションの根本要素を詳しく解説しています。

具体的ノウハウは、「モノマネ」と「シート」だけと少し寂しいです。
しかし、このシートを埋めることができれば、効果的なプレゼンができると思います。

2014年4月5日土曜日

305.「住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち」 川口 マーン 惠美

ドイツとの比較文化論です。
「8勝2敗」とあるので、テーマが10個あるのかと思いましたが違います。

領土問題について
「領土問題というのは、実効支配をした者が勝つということだ。」
という指摘は、正しいと思いました。

韓国は竹島を、ロシアは北方領土を返還しないと思います。韓国が再度経済破綻し、日本の経済的援助なしには立ち行かなくなったときくらいしか、可能性がないと思います。

そのためには、日本は経済的に豊かであり続けなければなりません。

また、尖閣諸島についても他国の実効支配を防がなければなりません。

いずれにしても、強い軍備が必要と考えます。
日本が軍備強化をすると軍国主義になるという意見もあります。
しかし、その可能性は低いと思います。
なぜなら、現在では他国に進出するメリットが少ないからです。

太平洋戦争では、資源と市場の確保が目的でしたが、現在では、植民地化しなくても、資源は輸入できるし、製品は輸出できます。
それよりも、他国に進出して統治したり、社会基盤を創ったり、反日勢力と抗争するデメリットの方が大きいからです。


2014年4月4日金曜日

304.「空の中」有川 浩

著者の2作目。2作目にして 537ページもの長編を世に出せるのは、出版社からの信頼が厚かったからでしょう。

物語は、著者の出身地である高知県の沖合から始まります。
上空2万メートルで新型旅客機とF15が立て続けに爆発します。その事件により、それまで存在を知られていなかった生命体(白鯨)と人間との共生が問題となります。

他の個体を持たなかった白鯨が分裂することで集団の概念。人間が当たり前に生存の前提としていたこの概念と、集団を統制するための「多数決」等の手段が、本当に適切であったのかという根源的な課題に直面します。

個と集団についても考えされられる作品でした。


2014年4月3日木曜日

303.「塩の街」 有川 浩

著者のデビュー作です。

人間が突如塩の柱と化す「塩害」。
すごいプロットです。

原因もわからず、人間が塩となっていきます。その世界の中で、人々が平和の時には気づかなかった大切なものに気づいていく。

それは、好きだった人への「想い」。想いが叶えられない人は想い出として慈しみ、まだ時間が残されている人は、その想いを不器用なやり方で遂げていく。

世界は、塩害以前とは様変わりしてしまったが、塩害をキッカケに自らの想いを明確にした人は、それが叶っても叶わなくても、たくましく生きていくという点に希望を見ました。


2014年4月2日水曜日

302.「反論の技術―その意義と訓練方法」 香西 秀信

「論理的」とは、異なる立場の論者による批判に対して隙が無いということである。

非常に分かり易く、納得がいく定義です。


一番よく思考を助ける言葉は、

  • 「これに対してある人は・・・」(そこに反対説が入ってくる)
  • 「なるほど・・・」(そこで譲歩する)
  • 「しかし、・・・」(そこに判定を下す)

という3つの言葉だそうです。

この他にも、役立つ方法が沢山あり、勉強になりました。


2014年4月1日火曜日

映画「ゼロ・ダーク・サーティ」

ビン・ラディン暗殺の舞台裏を描いた映画です。

テロリストのリーダーとはいえ、一人の人間の暗殺を世界中が望んでいたかのごとく描写する米国中心思考に疑問を持ちました。

また、暗殺からこんなにも短期間で映画化する商業主義にも違和感を感じました。

暗殺にあたり、パキスタン政府には無断で急襲し、パキスタン軍が近づいてくると慌てて逃げ出すというのは、他国の国権をどのように考えているのでしょうか。

もし、ビン・ラディンが日本に潜伏していても日本政府には無断で攻撃したでしょう。まあ、日本政府に伝えてたとしても、見て見ぬふりをしたでしょうが・・・。

301.「なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか」加瀬 英明 (著), ヘンリー・S・ストークス


ルーズベルト政権が日本に敵対する政策を最初に打ち出したのは、1936年。真珠湾攻撃の5年前です。

1931年に満州事変が勃発しました。満州は万里の長城の外にあり、満族の地であったため、中国の一部ではありませんでした。しかし、ルーズベルトは、日本が中国を侵略したとみなしました。

1937年に中国共産党の挑発による盧溝橋事件をきっかけに日華事変が起こります。しかし、日中が宣戦布告を発したのが1941年12月ですから、1937年時点では、戦争ではなく、事変でした。

アメリカは中国を巨大な市場とみていましたが、第一次世界大戦による国民の厭戦感からなる孤立主義により、参戦できませんでした。そのため、アメリカは中国を支援するために、アメリカの軍人を義勇兵と偽り中国に送り込み、日本を空爆することを計画していました。

ルーズベルト大統領が日本を戦争におびき寄せた本当の理由は、ヨーロッパ大陸を制圧していたドイツと交戦中のイギリスを救うため、日本から開戦させることで参戦の世論を作り、日本と戦争することで、ヨーロッパの戦争にも参戦できるようにすることでした。

「連合国は極東軍事裁判で、日本が侵略戦争を行ったことを歴史にとどめることによって、欧米列強による侵略を正当化し、日本に過去の罪悪の烙印を押すことが目的だった。」ラダピノト・パル判事

白色人種は、世界各国を植民地化し、資源、金、奴隷を支配していました。日本は有色人種として、日露戦争や満州事変により、この構図を壊してしまい、さらに支配されていた有色人種に勇気を与えてしまいました。白人支配維持のために、日本を叩いて、極東軍事裁判で罪悪感を植え付けたうえで非軍備化して白人社会に逆らえないようにすることが目的だったのかも知れません。