2015年12月31日木曜日

808.「日韓 悲劇の深層」 西尾 幹二、 呉善花

韓国は、経済的には先進国の仲間入りを果たしたものの、実際には、政治的にも社会的にも、国のあり方としては、いまだ前近代の遺制を濃厚に残すアジアの一国に他ならないそうです。

そして、その前近代性の直接的な基盤をなすものが、李氏朝鮮という500年もの間続いた、専制主義王朝国家です。ここが日本の歴史性と大きく異なるところだそうです。

よって、日本人が韓国人に話し合いましょうと言っても、うまくいきません。だから当面は、日本人の知恵である「間」を置くこと、そして立ち向かって行くことが大切と、著者は主張します。

また、韓国は、「ドイツは戦後責任を果たしたが、日本は十分に果たしていない」と非難しますが誤りです。

1. ドイツは侵略戦争に対して、いかなる謝罪もしていません。
ヨーロッパは、絶え間なく侵略をしあっていた地域なので、ドイツにしてみれば、なぜ我々だけが謝罪しなければならないのかと考えています。
では、ドイツは何に対して謝罪したのかというと「ホロコースト」です。「あれはナチスがやったのだから関係ない」と言いたいのですが、そう言うと貿易ができなくなってしまうので謝罪せざるを得なかったのです。

2. ドイツはいかなる国とも未だに講和を結んでいません。
どこの国もドイツから賠償金を受け取っていません。ドイツは個人賠償はしましたが、国家賠償をしていません。
それに対して、日本はサンフランシスコ講和条約で講和を結び、国家賠償をすべて果たしました。なぜか一緒に戦った韓国に対しても、日韓基本条約により、「完全かつ最終的」に解決しました。
だから、日本の国際的な責任は完全に終わっています。

ドイツよりも、戦後責任を果たしていると言えます。


2015年12月30日水曜日

807.「日本人を狂わせた洗脳工作 いまなお続く占領軍の心理作戦」 関野通夫

WGIP(War Gilt Information Program)とは、GHQによる「戦争についての罪悪感を日本人の心に植え付けるための宣伝広告」です。

WGIPについては、その存在が疑問視されていました。果たして、単なる陰謀論か、それとも恐るべき洗脳計画なのか。

著者は、国会図書館の膨大な資料のなかから、WGIPに関する資料を発見し、本書を表しました。

一般命令第四号 マッカーサー総司令部(GHQ)1945年10月2日
「各層の日本人に、彼らの敗北と戦争に関する罪、現在の窮乏に対する軍国主義者の責任、連合国の軍事占領の理由と目的を、周知徹底せしめること」

これがWGIPの目的です。すべての日本人に敗北感と罪悪感を植え付けることを目的としています。そして、その手法の一つが極東国際軍事裁判です。

Ⅰ. 背景
公式の定義により、日本人の戦争犯罪は、下記3分類に分類される。
A. 国際条約、協約あるいは保証に反して、侵略戦争を計画、準備、開始および推進したか、前記の完遂のための共謀あるいは謀議に参加したこと。
B. ・・・・・・
C. ・・・・・・

このAに該当するとされた人がいわゆる「A級戦犯」です。A、B、Cは一般に認識されている罪の重さではなく、単なる小段落です。GHQの直属組織であるCIEがA,B,C級という戦犯を独自に創りだしたのです。

A級戦犯とは、それまで国際法に存在しなかった、「人道に対する罪」と「平和に対する罪」により裁かれました。
これは、人は法律によってのみ罪に問われるという「罪刑法定主義」と
罪を問われる行為を行った時点で有効であった方のみによって裁かれるという「刑罰の不遡及」という「法の支配」を平然と無視した行為です。

War Gilt Information Program 1948年2月8日
3. 広島(及び長崎)への原爆投下や戦犯裁判における超国家主義東条元首相の証言に関して、日本人が持っているか、或いは持つかもしれない態度に対する対策としての情報或いは何らかの活動を具現化した(WGIP)第三期の活動を提案する。

広島(及び長崎)への原爆投下とは、一般市民の大虐殺、
東条元首相の証言とは、「この裁判は、勝者による復讐劇だ」という発言です。GHQはこれらが日本人の思想に影響を及ぼすことをおそれ、WGIPで封殺したのでした。
そして、この活動は大成功し、日本人から米国に対する悪感情を取り除き、現在の友好関係(いいなり)に至っています。



2015年12月29日火曜日

806.「泣く子もほめる! 「ほめ達」の魔法 」 西村 貴好

著者は鬱病の友人に「がんばれ」と励ましますが、友人の遺書に「がんばれ」という言葉が辛かったという内容が書かれていました。

逆境にある相手に「がんばれ」「負けるな」と言うと、言われた相手は、「こんなに頑張っているのにこれ以上どうすればいいんだ。」と思うそうです。

まずは、「がんばっているね」と相手を認めて愛情を与えることが必要だそうです。「かんばっているね」こそ、相手の気持ちを少しだけ楽にし、「がんばってきてよかった」というささやかな満足感を与える言葉だそうです。

感謝の気持ちを表す時に「すみません」と言うことが多いのですが、これを「ありがとうございます。」に言い換える。すると印象が良くなるそうです。

助言する時は、「この際言っておこう」と欠点をあげつらうのではなく、「惜しいなあ」と言うように心がけると、相手も受け入れやすくなります。

相手の反応が思い通りでなかった時も「違うよ」ではなく、「そうくるか」と受けると相手の反発を引き起こしません。

ちょっとした言い換えですが、相手の反応がかなり異なるのでやってみようと思います。


2015年12月28日月曜日

805.「ヒポクラテスの誓い」 中山七里

死因が異なる5つの短編小説がまとまり、一つの長編小説となっています。5つの事件は全て監視官が問題ないと判断しましたが、法医学の権威・光崎藤次郎教授により、その判断がひっくり返されます。

それぞれの死因が異なるため、それを発見するための手がかりも異なり、さらに監視官が見落とすほどの手がかりであるため、非情に詳細な知識が必要とされます。それを素人である読者に分かりやすく説明するという著者の文章力と、そこまで詳しく調べた取材力にはただ感嘆するのみです。

それぞれの短編が高いレベルを保たれ、そしてそれらが最後の短編で一本の横串で束ねられる点に爽快感があります。

意外な舞台設定と専門的な医学知識からなる医療ミステリーでした。



2015年12月27日日曜日

804.「あした死ぬかもよ?」ひすいこたろう

死を意識して今日を生きるということ。
自分の死を意識して、やりたいことをやる。
相手の死を意識して、関係を大事にする。

今日が最後の日と思って、日常の身の回りのことに取り組めば、普通の出来事の全てがとても貴重であることに気づきます。

そこに有ること、そうで在ることが普通になっていることで、それが当たり前となってしまいますが、本当は、多くの奇跡が必要だったのかもしれません。

「今日が最後の日」という観点で周囲を見ることは、視点を変えるというよい効果があることがわかっても、どうしても忘れがちになってしまいます。こういった観点を思い出せるようなしかけを作り、いつかやろうと思っていたことに、すぐに着手したいです。



2015年12月26日土曜日

803.「心をひらく「ほめグセ」の魔法」西村貴好

著者は、「ほめ達検定」という資格試験を主催しています。人に注意するのではなく、ほめることで伸ばしていこうという考え方です。

1. すごい
2. さすが
3. すばらしい
が「ほめ達」の「3S」でどれかを言っていると、「ほめグセ」がつくそうです。

人の価値は、1枚の紙を用意して、次のように素晴らしい点を書き出します。
1. 1人を選ぶ
2. いいところを書き出す
簡単ですが、これだけでほめることの基本トレーニングとなります。

1. でも
2. だって
3. どうせ
を反射的に言わないようにします。
「でも、この景気の中では」「だってうちの業界では」「どうせこの地域では」などと言わないことで人は成長するそうです。

自分の習慣にしたいと思いました。

2015年12月25日金曜日

802.「「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界」 宮崎正弘

中国共産党の崩壊はカウントダウンに入ったようです。

最後のボタンを押すのは、ISIS帰りのウイグル人による新疆ウイグル独立運動か、頻発する暴動の太平天国の乱のような拡大か、共産党内部の闘争による易経革命か。

いずれにしても、2014年の不動産バブル崩壊、2015年の株式バブル崩壊を背景に富裕層や中産階級が大きな負債を抱え転落し、貧富の格差が人民の怒りに火をつけます。

中国の没落に伴い、中国に依存している韓国とドイツ経済も大きく損なわれることでしょう。

中国国内が内戦状態になれば、周辺国に難民がなだれ込みます。ロシア、北朝鮮、韓国は景気が悪いので、ベトナムやインド、そして日本に殺到するかもしれません。日本では対馬や壱岐に最初に漂着するでしょう。その時に備えて、準備をする必要があるかもしれません。


2015年12月24日木曜日

801.「ぼくは愛を証明しようと思う。」 藤沢 数希

弁理士が主人公の小説です。しかし、知財がメインテーマではありません。
メインテーマは、「ナンパ」です。

27歳の渡辺君は、それまで2人の女性と付き合ってきました。しかし、付き合っていた彼女に二股をかけられ振られてしまいます。渡辺君は、失意のどん底に落ち込みます。

そんなとき、仕事で知り合った永沢さんから、「恋愛工学」というノウハウを教わり、厳しくも楽しい「ナンパ」の修行に入っていくのでした。

弁理士の仕事内容については、「アレっ?」と思うことが多いですがご愛嬌です。声をかけた女の子達の殆どが弁理士という職業を知らず、毎回仕事内容を説明するのが、全く身につまされて、笑ってしまいます。

女性の心理の動きや、行動を誘導するところなど興味深く、仕事にも応用できるかなと思いました。

2015年12月23日水曜日

800.「教養は「事典」で磨け ネットではできない「知の技法」」 成毛 眞

グーグル先生はわからない用語を教えてくれますが、キーワードを知らないと調べられません。
また、そのワードに関連する用語を知ることも出来ません。

そこで著者は事典を読むことを薦めています。

事典は用語が簡潔に説明されているので短時間で読むことができ、直ぐに知識になります。
読んだ用語の横を見ると更に知識が広がります。

紹介されていて興味深かったのは、次の事典です。

英語便利辞典:日本の祝日の英訳など様々な豆知識。



敬語のお辞典:語頭に「お」を付けるか、「ご」をつけるか。

てにをは辞典:日本語として自然なコロケーションを知る。

サイエンス大図鑑 【コンパクト版】:科学の最前線を簡単に知る。

スター・ウォーズ英和辞典 ジェダイ入門者編:スター・ウォーズのセリフが例文

2015年12月22日火曜日

799.「私たちの予測した通り、いよいよ自壊する中国! 」 宮崎正弘、 石平

中国ウォッチャーの宮崎正弘さんと中国から帰化した評論家の石平さんの対談本です。

宮崎さんの情報量の豊富さと、細かい数字まで覚えている記憶力には驚くばかりです。それを中国で生まれ育った石平さん実体験に基づく分析で正確な予想に作り上げています。

習近平が犯した2大失策が南シナ海問題とAIIB。これに対する危機感により、日本、アメリカ、東南アジア諸国がまとまって中国に対峙することとなってしまいました。このことを習近平は想定していなかったようです。

そうして、習近平は窮地に追いやられてしまった。経済の失速、アメリカとの関係悪化、周辺各国との関係悪化により、中国は韓国とドイツを除いた各国からそっぽを向かれてしまいました。

習近平体制はこれから2年が山場で、2017年に開催される党大会までに解任されるおそれさえあるそうです。

2016年の中国経済破綻と2017年の習近平解任が実現するのか、興味深いです。


2015年12月21日月曜日

798.「「太平洋戦争」アメリカに嵌められた日本」 マックス・フォン・シュラー

著者は、「日本にアメリカとの戦争を避ける選択肢はなかったのか。」と、日本人からよく質問されるそうです。著者の答えは、
「なかったと思います。」です。
ルーズベルト大統領、ハル国務長官、スティムソン陸軍長官のごップ3が日本との戦争を望み、画策していたからです。

殆どのアメリカ人は、「神に選ばれた自分達が世界で一番偉く、他の民族は自分達に従うべきだ」と考えているそうです。

そのため、現在交渉中のTPPも、実は相互貿易を発展させるためではなく、アメリカのものを強制的に買わせる仕組みだそうです。TPPにより日本社会は、様々な産業を失い、アメリカの製造・サービスを買い、アメリカのものを食べるという、アメリカ人が完璧に支配する「奴隷の国」になります。
まさに、「日米修好通商条約」のような不平等条約を再度締結することになります。

ただ、一つ救いなのは、2015年の干ばつでカリフォルニアでは田んぼが半分しか使われておらず、カリフォルニア米が段々生産できなくなっていくとのことです。2016年からアメリカは食糧不足になり、食料と石油不足に見舞われるとの予測です。

著者は、日本人は西洋コンプレックスを払拭したほうがいいと提言します。アメリカ人に対してはっきり意見を言う。難しいけれども頑張るしかありません。それが交渉でのプラスになり、本当によい両国関係を築く基盤になるのでしょう。




2015年12月20日日曜日

797.「会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから」 大西 康之

三洋電機がパナソニックに売却されるまでの経緯とその後の社員達の悲哀が描かれています。

三洋電機を解体して売却した、ゴールドマン・サックス、住友銀行、大和証券の非情さ。口では何と言っても利益優先のドライさは、結局ハゲタカに過ぎなかったと感じます。

吸収したパナソニックの残忍さも際立ちます。即座にサンヨーブランドを抹殺し、技術だけ奪って三洋社員を退職に追い詰める。

その一方で、京セラの温かさが対照的でした。稲盛さんはすでに一線を退いているものの、イズムが残っているように感じました。

意外だったのは、中国国有企業ハイアールの三洋社員に対する高待遇です。ただ、これはまだ技術力で日本人技術者が上回っているからで、中国人社員が追いついたら分かりません。

元三洋の社員達は、プライドと技術への拘りをもって頑張っていました。しかし、本書にも書かれているように、ここに書かれているのは一部の成功者であり、大部分は苦難の道を歩いているようです。

一つの国が成長している時、多くの会社が生まれ、その殆どが淘汰されていきますが生き残った会社が発展を続け大企業となります。それがかつての日本であり、現在の中国ではないでしょうか。しかし、これも創業者までで、2代目、3代目となると革新さを失う。これが現在の日本であり、そうして大企業が選択と集中で分解され、売られていくのが自然の流れなのかもしれません。


2015年12月19日土曜日

796.「暴走を始めた中国2億6000万人の現代流民」 石 平

中国はその成長システムの仕組みゆえ、破綻すべくして破綻するようです。

技術も資本もなかったので、安い労働力で外資企業を誘致した。
安い労働で付加価値の低い衣料や玩具を大量生産した。
賃金が低いため、国内では売れないので海外に輸出した。
大量に得た外貨を基に、元を刷りまくった。
大量の元で公共投資し、不動産を投資を煽った。
輸出と不動産のツインエンジンで世界第2位の経済大国になった。
しかし、インフレにより国民生活は苦しくなり、内需が萎んだ。
経済成長を続けるためにハイアールといった製造業までが不動産に参入した。
2014年2月不動産バブルの崩壊が明らかになり、資金は株式に流入した。
2015年5月上海市場で株式バブルの崩壊が明らかになった。

そもそも、世界第2位のGDPというのも情報操作の疑いがあったところで、輸出と不動産のツインエンジンも止まってしまった。あとは真っ逆さまに墜落することが予測されます。

中国は巨大な人口がいるから沿岸部の成長が止まっても、内陸部がこれから牽引するという人もいらっしゃいますが、そもそも沿岸部にも内陸部にも購買力はなかったのです。30年間、不動産投資で経済成長を誤魔化してきたのだ。もはや、墜落を止める手立ては見つからないと思います。

あるとすれば、AIIBで日本を取り込み、獲得した資金で中国の不良在庫と過剰な労働力を途上国に援助という名目で押し込むか、本当は紙切れ同然の元をSDRにより価値を作り出してしまうかだと思います。





2015年12月18日金曜日

795.「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの対話術」 和仁 達也


これまでの「先生型」コンサルタントではなく、「パートナー型」コンサルタントを目指そうとする本です。「パートナー型」コンサルタントは、「相手が見落としていた盲点に気づかせる」ことを目的とします。

理由は、「情報や正解を教えてくれる先生」に価値があった情報が手に入らない時代から、「自分で意思決定をするための判断基準」に価値がある情報化社会にシフトしたからです。

「パートナー型」コンサルタントは、自分の情報を教えたり、自分で作業を行ったりするのではなく、クライアントの「お困りごとトップ3」を長期に亘って解決するというものです。

自分の専門分野を持っているのは前提ですが、「お困りごとトップ3」を解決するために専門分野に限定せず、場合によっては、他の専門家と提携して課題に当たるという手法を採ります。

顧問料や長期契約の交渉からクロージングの話法まで、「パートナー型」コンサルタントとして成功するためのノウハウが豊富に説明されています。


2015年12月17日木曜日

794.「14歳〈フォーティーン〉 満州開拓村からの帰還」 澤地 久枝

著者自身の満州からの引き上げ体験記です。

1945年の終戦時、著者は14歳で満州の吉林省で暮らしていました。そこでの日本人の日常の暮らしや、自分の家族のことが淡々として文体で語られています。

ソ連参戦のどさくさに紛れて中国人が集団で日本人宅をおそい強奪していく様から現在の反日デモの時の略奪が民族的な特性ではないかと思ってしまいました。

また、占領していたソ連の兵隊が家に押し込み、白昼堂々、著者を連れ去ろうとするくだりは、ソ連軍の規律の乱れが伺えます。

著者の父親と懇意にしていた、韓国人の遠藤が実は連続強姦魔であり、日本人を偽って強姦を繰り返し、父から絶縁を告げられると、
「露助を連れて来て、(お前の娘を)強姦させてやる」
と言い放つくだりから、信義の捉え方の違いを感じました。

満州の引き上げというと、戦後すぐに日本に帰ってきたものと思っていましたが、著者は1年間、満州に留め置かれました。それは、日本政府から見捨てられた「棄民」とされてしまったためです。国家の身勝手さに慄然としました。


2015年12月16日水曜日

793.「ドイツ第四帝国の支配と崩壊 亡国の新帝国主義(グローバリズム) 日本人に緊急警告!」 三橋 貴明

帝国主義とは、相手国の「住民」から主権を奪い、あるいは主権を与えず、所得を継続的に吸収する仕組みを構築することと定義付けられています。

帝国主義は、領土の収奪と思われがちですが、この定義によればそれに限られません。本質は「所得の収奪」であるため、国際条約や協定で足ります。日米修好通商条約などの不平等条約は帝国主義の計略と言えるでしょう。

今日で言えば、「マーストリヒト条約」もこれに当たります。これにより欧州連合や単一通貨ユーロが導入されました。

2005年まで、失業率が欧州トップで「欧州の劣等生」だったドイツは、今やヨーロッパ唯一の黒字国となりました。なぜでしょうか。ドイツ人が倹約家で勤勉であり、緊縮財政が効果を発揮したからでしょうか。

違います。これらのドイツの特質はインフレ下では効果的ですが、デフレ下では過剰な供給を生み出してしまいます。その過剰な供給はどこへ行ったのか。それは、欧州連合の南の国々です。

生産性が高く、東西統一で東ドイツなどの教育水準が高く安価な労働力によって作り出された高品質で低価格の商品は関税撤廃と統一通貨ユーロにより、堰を切ったように南欧へ流れ込みます。こういった一方的な輸出が起きた場合、相手国は関税を引き上げ輸出国の為替が上がるため、自然と調整されます。

しかし、「マーストリヒト条約」で関税は撤廃され、単一通貨を使っているため、南欧諸国は無防備で一方的に打たれ続けることになります。その結果、ギリシアはデフォルトし、スペインもデフォルトしかけています。

帝国主義は、グローバリズムの一形態だと思います。TPPが日本にとっての「マーストリヒト条約」にならないことを願うばかりです。


2015年12月15日火曜日

792.「あなたが消えた夜に」 中村文則

長編小説ですが、読むことに苦痛を感じません。

登場人物のほとんどが精神を病んでいるような気質を持っていますが、現実社会も実はそうなのではないかと思えてきます。

ある小さな町で通り魔事件が起こり、それが連続殺人事件となって行きます。犯人は目撃証言から「コートの男」と呼ばれるようになりますが、不思議なくらい容疑者が見つかりません。なぜ、手がかりが掴めないのか・・・

それぞれの殺人事件が複雑にからまり連続性を形成します。さらには警察内部の権力闘争もからんで読んでいくうちに混乱してきます。しかし、これぐらいの混乱が本当の世界なのかもしれません。

人間の狂気を描くのが非常にうまい著者ですが、近年はそれに加え構成が複雑となり、重厚な小説となっています。

狂気が連鎖して新たな狂気が生まれます。不幸に浸かってしまった人間は、不幸の連鎖から抜け出せるのでしょうか。


2015年12月14日月曜日

791.「ドイツリスク 「夢見る政治」が引き起こす混乱 (光文社新書)2015/9/16 三好 範英

あるフィンランド人が「ドイツ人は夢見る人。」と言ったそうです。
「夢見る人」とは、現実を醒めた目で見ようとするよりも、自分の抱いている先入観や尺度を対象に読み込み、目的や夢を先行させ、さらには、自然や非合理的なものに過度に憧憬を抱くドイツ的思惟の一つのありかただそうです。

この気質により、福島第一原発の事故を冷静に分析せず、即座に反応して原発停止に踏み切りました。日本は、当時、ドイツを見習えという論調一色になり、菅直人首相も国内の全原発を停止しました。

しかし、現在ではドイツの判断は大きな問題を引き起こしています。太陽光発電の買取額上昇により、2014年度の家庭の電気料金1019.88ユーロは、2000年の価格に対して2倍強となってしまいました。しかも、風力発電を増やした結果、ぶどう畑の景観を損ね、発電機にぶつかって死亡する鳥が増えるなど、環境保護目的が環境を損なう結果となったいます。

また、ドイツはユーロ導入により膨大な貿易黒字を得ましたが、それはギリシアなど南欧諸国の赤字です。ドイツはギリシアに緊縮財政による再建を要求していますが、そもそもの原因はドイツの輸出であり、ドイツ自身が緊縮財政によって財政を再建したわけではありません。

ドイツの思い込みが、EUの中で問題を引き起こし、日本の戦後補償問題についても余計なことを発言することになっていると思いました。


2015年12月13日日曜日

790.「外国特派員協会重鎮が反日中韓の詐偽を暴いた」 ヘンリー・S・ストークス

2015年に中国は、抗日戦勝70周年式典を行いました。韓国も戦勝国と主張しています。そもそもこれが嘘です。

中国共産党は、日本と戦闘していません。戦ったのは、中国国民党です。韓国は、日本国として中国国民党と戦闘していました。そして、それぞれの国の独立は、終戦から数年経っています。

日本国終戦:1945年8月15日
韓国独立:1948年8月13日
中華人民共和国建国:1949年10月1日

南京大虐殺ですが、日本が南京を占領したときの人口は約20万人(国際委員会調べ)です。そして、中国は、日本が入城してから3日間で30万人を虐殺したと主張しています。10万人はどこから殺されに来たのでしょうか。20万人はどうして逃げ出さなかったのでしょうか。
そして、その翌月の人口は約25万人に増えています。全滅したはずなのですが、どこからそのような危険な場所に25万人がやってきたのでしょうか。

国際委員会が南京の不祥事を日本大使館に届けた「市民重大被害報告」は下記のとおりです。


  12/13 12/14 12/15 合計
殺人 0 1 4 5
強姦 1 4 5 10
略奪 2 3 5 10
放火 0 0 0 0
拉致 1 1 1 3
傷害 0 0 5 5
侵入 0 1 2 3


殺人は、5件。しかも、いずれも目撃者がいません。この資料により、南京大虐殺がなかったことは明白です。

韓国は、「20万人の慰安婦」が「一日あたり20人から30人の男性の相手」をしたと非難しています。すると、200,000×20=4,000,000なので、日本軍は毎日400万回以上の性行為を持ったこととなります。1943年の日本軍の海外兵力は、約100万人だったので、毎日4回以上も慰安所に通ったことになります。これでは戦闘どころか、まともに日常生活も送れません。

まったくのプロパガンダですが、大きな声で何度も繰り返された結果、世界に流布されてしまったデマ。嘘だということを明らかにしていきたいです。

2015年12月12日土曜日

789.「年収300万円、掃除夫の僕が1億円貯めた方法」 www9945

1億円を貯めたことは、文句なく素晴らしいです。資産形成という面では大成功でしょう。では、真似したいかといえば、そうでもありません。

それは、人生には資産形成以外の面もあるからです。1億円貯めても、それは更なる資産増のために使われ、他の用途には使えません。
そうすると、著者の生活は年収の300万円に限られます。300万円で一人で暮らすことはできても、家族を養うことは困難です。

1億円あれば生活は安心かと言えば、私なら絶えず株価下落のおそれを気にすることになったしまうでしょう。そして、様々の株の値動きが気になり、物事を考えること中心の仕事は手につかなくなってしまいます。

著者が目指している配当生活なら精神的に安定するでしょう。資産が1億円で5%の配当が得られれば、年収500万円です。しかし、実際に資産を1億円にするには、配当5%の株式を買っていたのでは到達できません。著者のように信用取引に手を出さなくてはならず、そうなると5%の配当は得られません。

そして、信用取引をする以上、常に株価に注目して、損切りや利益確定に奔走することになります。仮に2億円位までいった時点で全てを売却して5%の現物株を買うことができたとしても、それがずっと続くとも思えません。

結局は、株式を保有することはよいことですが、稼ぎ続けることができる仕事を能力を持つことが、生活や精神を安定をもたらすのではないかと思いました。



2015年12月11日金曜日

788.「機龍警察 火宅」 月村了衛

機龍警察シリーズの第4弾。前作までは全て長編でしたが、本作は短編集です。

それぞれの登場人物のターニングポイントとなった出来事が描かれています。前作までを読んでいないとよく分からないかもしれません。

このシリーズの特徴は、エキサイティングな話の前に、各国の歴史や政治情勢が100ページ位まで語られ、その部分を読むのに少し難儀することです。しかし、本作はそういった部分が不要なため、最初から負荷なく読めます。

それにしても、登場人物のそれぞれの人生を作り、シリーズ全体としての世界観を作っていくという作業は、とても大変なことと思われます。これができる著者の構想力には、ただ驚くばかりです。



2015年12月10日木曜日

787.「10年後、会社に何があっても生き残る男は細マッチョ ―会議中でも、電車の中でも即、筋トレ !」 船瀬 俊介

筋トレは何歳からでもできるし、何歳でも効果があるそうです。病気の回復にも、脳の活性化にも効果があるそうです。

本書では、心筋梗塞の手術を受けた後からウエイトリフティングを始めて、回復した78歳の男性や、きんさん・ぎんさんのぎんさんが実は注目される前は歩けないで車椅子生活だったのに、注目されるようになったしまったので筋トレを始めて歩けるようになったエピソードなど書かれています。

著者が勧めているのは、器具を使わない静的筋トレであるアイソメトリックスです。アイソメトリックスは、筋肉の最大負荷量の80%以上の負荷を5秒以上かけると、急速に発達するという理論です。

これにファスティング(断食)を組み合わせると、痩せて健康になります。

手軽にできるので、取り入れていきたいです。



2015年12月9日水曜日

786.「アメリカの社会主義者が日米戦争を仕組んだ 「日米近現代史」から戦争と革命の20世紀を総括する」 馬渕 睦夫

著者は、世界を一元的にコントロールする構想を推進する人々を「国際主義者」と定義づけています。第二次世界大戦当時の国際主義者は、「モルガン」、「ロックフェラー」、「シフ」、「カーン」、「ウォーバー」などです。

国際主義者は、世界を一元的にコントロールすることが目的であるため、社会主義、新自由主義などの具体的な手法にこだわらず、その手法は、時代とともに変遷します。第二次世界大戦当時は、国際主義=社会主義でした。

国際主義の対立概念は、民族主義です。民族主義は民族の利益のために、規制を儲け、利益を民族間で分配するからです。国際主義者は、社会主義により全世界を統一して、民族に利益をもたらす規制を排除し、自分たちが利益を上げることを狙いました。

構成員に利益を配分せず、一部が利益を独占することは、一見して社会主義と対立するように見えます。しかし、一部が大多数の同胞から利益を吸い上げるという仕組みは、社会主義の実体であり、現在の中国や北朝鮮に見られる構図です。国際主義者は、これを世界規模で行おうとしました。

そのために、ソ連のロシア革命を支援し、ソ連を南下させて中国に共産主義政権を樹立しようとしました。そのときに邪魔なのが、中国に権益を持つ日本です。そこで、日本を蒋介石の国民党と戦わせ、講話しそうになると、西安事件で蒋介石を拉致して国共合作を飲ませ、戦闘を泥沼化させたのでした。

現代では、社会主義という思想の脅威を感じることはほとんど無くなりました。しかし、国際主義者は、グローバリズムに衣替えしたのではないでしょうか。そうであれば、TPPなどの自由貿易の範囲が広がっていけば、国際主義者である国際金融資本が利益を総取りし、日本人などの個別の民族が搾取されていくというおそれを感じました。



2015年12月8日火曜日

785.「沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉」 堤 未果

政府の諮問委員会は、驚くほどの利益誘導装置となっているようです。

以前から耳にしていましたが、竹中平蔵氏を通じ、パソナが巨額の利益を手にしました。その分、国民は社会保障や安定した雇用を奪われました。

本シリーズでは、アメリカの社会保障の、特に医療制度の悲惨な状況に同情を禁じ得なかったのですが、実は、日本の社会保障の切り崩しもすでに進んでいます。

それは、諮問会議の「規制緩和」という正義の御旗によって、いとも簡単に崩されてしまいました。本当の悪人は善人の顔をしています。

前半の読んでいて本当に憂鬱になりました。世界に誇れる国民皆保険制度が外国の金融機関と製薬会社に切り売りされようとしています。このままではアメリカの二の舞いになります。

しかし、アメリカでも失敗に終わったオバマケアからの脱却する動きがあり、日本でも地域医療を再生させる動きがあることを知りました。

まずは、医療制度の問題点を知ること。そして、知ったら傍観せずに、市議会や都議会といった自治体の議員と話をすることが出来ることの第一歩だと感じました。


2015年12月7日月曜日

784.「日本人に生まれて、まあよかった」 平川 祐弘

「日本が長い平和を享受できたのは、隣国と陸続きの国境を持たない島国という地理的事実と関係します」という指摘は正鵠を得ています。陸続きのモンゴル、チベット、ウイグルは侵略され、エスニッククレンジングされました。

日本が侵略されなかったのは、憲法9条があったからではなく、海に囲まれ、かつ米国の庇護下にあったからです。その証拠に、ワシントン条約締結までの、米国の占領がはずれたわずか数ヶ月間に竹島が占領されてしまいました。

尖閣諸島や沖縄が侵略されなかったのは、中国の海軍力が弱かったからでしょう。この数十年の軍事強化で占領できる力をつけたと思われます。だから、米国が沖縄から引いたら、侵略されることでしょう。

それを防ぐためには、スイスのように軍事力を強化し武力中立を確立するか、集団的自衛権という相互強力で米国の軍事力に頼るかではないでしょうか。丸腰で、「話せば分かる。」では、モンゴルの二の舞いだと思いました。

著者は、東京大学で民主党党首の岡田克也氏を教えたそうです。家永裁判が話題になると、岡田氏は朝日新聞の社説のような意見を述べたそうです。菅直人氏も仙谷由人氏も戦後日本の教育情報空間の中で育った優等生で、左翼系大新聞の模範解答を述べてきました。だからこそ、失敗が続いたと指摘します。

左派の自虐的史観を主張すれば出世できてきた戦後日本ですが、変動する世界には通用しないようです。



2015年12月6日日曜日

783.「家族脳: 親心と子心は、なぜこうも厄介なのか」黒川伊保子,

脳科学というよりも、脳の反応による良い人間関係の気づき方についてのエッセイ集です。

人に注意するときには、「そんなことしちゃダメだ。」と言うと反発されますが、「ちょいと、始末が悪くて、しょうがねぇよ」と言えば、素直に聞いてもらえたそうです。

また、女性は共感を求めているから、「腰が痛い」と言われた時に、「早く医者に行け」と言うのではなく、「腰がいたいのか?それはつらいなぁ」と言って、片付け物を引き受けるのが正解だそうです。僕は、完全に「医者に行け(以上)。」の方でした。

子供と会話が進まない場合は、共感が少なく、小言が多いそうです。そんなときは、子供がしんどい経験を話してくれたら、「かわいそうに。世の中厳しいよね。」とさらりと同情するそうです。

気軽に読めて、意外に役に立つ本です。



2015年12月5日土曜日

782.「君の膵臓をたべたい」 住野 よる

ドキッとするタイトルですがホラー小説ではありません。青春小説です。

膵臓の病気で余命いくばくの少女と、偶然彼女の病を知ってしまった少年との短くて儚い物語です。

高校生の「僕」は、病院で偶然、クラスメイトの桜良の「共病文庫」という日記を読んでしまいます。クラスでは明るく溌剌とした人気者の桜良でしたが、そこには、中学時代から膵臓の病にかかり、あと少ししか生きられないことが記されていました。

病気のことを知られた桜良は、クラスで目立たない「僕」にちょっかいを出し始め、2人は急速に仲良くなっていきます。桜良は、残された人生でやりたかったことを「僕」とともに叶えていくのでした。

人と関わることを避け、一人の友人もいなかった僕は、桜良と関わるうちにだんだんと人に興味を持つようになり、生き方が変わっていきます。

病を隠し、明るく人と関わることで自分が生きた証を残そうとする少女と、小説だけを友人として一人ぼっちで生きてきた少年の、短いけれども輝くような時間の物語です。



2015年12月4日金曜日

781.「総理にされた男」 中山 七里

最近、これまでのミステリー小説から様々な分野へとテーマを変えている著者の初めての政治小説です。

国民人気が高い若手の総理大臣とソックリの売れない舞台役者・加納慎策が、影武者として活躍するという内容です。この構成にはあまり目新しさを感じませんでした。

ただ、定められたスピーチを原稿なしで情感を込めて読むというのは役者の十八番なので、政治家として元役者は向いているのかなと思いました。

政治に全く興味がなかった振作慎策の打つ手がことごとくうまく行ってしまう点に行き過ぎ感はあります。
しかし、派閥の争い、憲法9条の解釈、官僚との駆け引きなど、現在でもスッキリしない政治問題がやさしく語られ、強引だがやってもらいたいと思えることを慎策がやってくれるので、爽快感はあります。

ラストは、そうやりたいのは分からないでもないが、必要あったのかなという終わり方でした。




2015年12月3日木曜日

780.「日韓対立の真相」 武藤 正敏

著者は、2010年から2012年まで在大韓民国特命全権大使を務めました。外務省がどのように韓国と対峙してきたのか、内情がわかります。

その対応は、著者も言うように、左派にとっても右派にとっても不満でしょう。それは、外務省は韓国とうまく関係を保っていくことが目的で、関係を損なってまで、日本の考えを主張することは政治家の役割だからです。

だから、慰安婦問題でも、日韓基本条約で完全かつ最終的に解決したことや、慰安婦に強制性がなかったことを主張することを憚り、挺対協の姿勢がおかしいことを主張して、問題を解決すべきという、著者の主張に繋がるものと思います。

竹島について、日本は領土問題と考えているのに対し、韓国は歴史問題と捉えているという指摘は興味深いです。竹島の島根県への編入が1905年であり、日本が韓国を保護国化したのも同年であるため、これらを一緒にして植民地化の第一歩と捉えているとのことです。そうなると、反日運動のシンボルとなってしまったため、日本への返還は難しいものと思います。


2015年12月2日水曜日

779.「コンサルタントのための“キラーコンテンツ"で稼ぐ法」 五藤 万晶

著者は、「コンサルタントのコンサルタント」です。「その他大勢のコンサルタント」を「売れるコンサルタント」に変えるコンサルティングを行っています。

コンサルタント、セミナー講師、研修講師、ビジネスタレント、講演家といった職業が表向きとても似ているため、コンサルタントが違う職業向けの活動をしてしまい、成果が全然上がらないというのは、成る程と思う新しい観点でした。

「先生業」を4象限に分け、分析している点が非常に分かりやすく納得できました。Academy, Business, Culture, Doctorに分けられたそれぞれの象限で、同じ先生業ながら「ビジネス」と「プレイベート」のコンテンツ、「自分で支払って習う」と「他人が支払って習う」の軸によって分類され、Doctorに分類されるコンサルタントは、それに合った行動を取らなければ、なかなか売れないということです。

そして、「売れるコンサルタント」になるためには、「自分を売る」という行動から、「キラーコンテンツを作る」という行動にシフトしていかないと、過当競争から脱出できず、経営者にリーチできないという話も非常に納得できるものでした。



2015年12月1日火曜日

778.「鈍感な男 理不尽な女」黒川 伊保子

この本、とても面白かったです。

なぜ、奥さんが、違う話で口論している時に、20年以上前のことを蒸し返して何度も責めるのか、理解できました。それは、女性脳は過去の関連記憶を一気に思い出す天才だからです。

哺乳類のメスは、生殖リスクが高く、一生涯に残せる個体数が少ないので最初の子育てから失敗するわけにはいかない。そのため、「初めてのトラブル」にも対応できる臨機応変力として、関連記憶を一気に引き出す力を手に入れたそうです。

非常に納得しました。過去の話を蒸し返される度にムカついていましたが、少し許せるかな?

その他、なぜ時が経つと、夫婦は仲が悪くなるのか(実はそもそも相性が悪いのだ)など、これまで疑問に感じていた男女関係の謎がよく分かりました。