2017年2月28日火曜日

1109.「歴史問題の正解」 有馬 哲夫

原爆投下について新たな知見を得ました。

アメリカは、大東亜戦争末期、皇室の存続を保障すれば、日本は降伏に応じるとのインテリジェンスを得ていました。そのため、ポツダム宣言の原文を国務長官代理のグルーが準備しました。

グルーは、日本の民主化を防ぎ、戦後もアメリカ金融資本と大企業の優良な投資先、技術移転先としたい意向でした。そのため、1945年5月には日本に通達できる準備が整っっていました。

ところが、これを先延ばしにしたのは、陸軍長官のスティムソンです。原爆が完成間近であり、これを日本で試したかったのです。そのため、実験の結果が出るまで、ポツダム宣言を先延ばしとしました。

そして、偏った考えを持ち、共産主義者に洗脳されたルーズベルトもこれを認め、20万人の非戦闘員を大虐殺したのでした。

「真珠湾を不意打ちした」とか、「原爆により日本の降伏が早まった」とか、「南京で20万人を虐殺した」といった原爆投下を正当化するようなプロパガンダに惑わわされず、原爆投下はアメリカによるジェノサイドだと認識すべきだと思いました。

2017年2月27日月曜日

1109.「富国と強兵」 中野 剛志


638ページの超大作です。

最近流行りの地政学に対し、地政学だけでは問題を理解できないとして、地政学に経済学を組み合わせた「地政経済学」、つまり、「富国」と「強兵」を提言しています。

著者は、2017年2月の時点で特許庁に勤務されており、法制度改正やTPPへの対応をされておりました。法制度説明会で何度かお見かけして、握手していただきました。

もともとTPPには反対されていたのですが、TPPを推進する役割となり、葛藤もあられたと思います。また、法制度改正は様々な部署との調整もあり激務であったと思われます。

そんな環境下で、よくぞここまでの超大作を書ききったものだと感嘆せざるを得ません。

財務省官僚でありながら、客観的かつ間接的に財務省のこれまでの政策を真っ向から批判している点は、抑圧された環境の中での面目躍如という気がします。

数年後に、本書が新しい学説「地政経済学」を打ち立てたと、世界で語られる予感がする名著です。

2017年2月24日金曜日

1108.「年収300万円でもお金の心配がなくなるたった1つの方法」 菅井 敏之

年収300万円でもお金の心配がなくなるたった1つの方法は、頭金500万円を用意して、投資用アパートを買うことのようです。

でも、年収300万円では頭金の用意も大変だし、融資もおりない。

その種金づくりと融資対策を教えてくれるのが本書です。

その方法とは、信用金庫に定期的に預金をすることです。

月々、預金することで種金が溜まっていき、担当者を決めてもらうことで信頼関係を構築していきます。

メガバンクだと年収や勤務先などによって融資を断られてしまっても、信用金庫は定期的な預金で信用してくれて融資してくれるそうです。

信用金庫に口座を作ってみたくなりました。

2017年2月23日木曜日

1107.「実践! 世界一ふざけた夢の叶え方」 ひすいこたろう、 菅野一勢

「世界一ふざけた夢の叶え方」の続編です。

前作は、カウンセリングのセミナーに参加していた3人の若者が月に一度集まって、お互いの夢を励まし合っているうちに、3人の夢は叶ってしまいました。

本作は、その具体的なやり方と、その後に学んだ夢の叶え方の補強策、また、夢を叶えた現在の生活などが書かれています。

年収1億円でシンガポールへ居住、ベストセラー作家となり10年で40冊出版、サーフィンを中心とした生活を送りながら2億円のプロジェクトを運営など、それだけ聞いたら決して不可能な話が、実現可能に思えてきます。

夢を共有する仲間を持つことの重要性が非常によく分かりました。


2017年2月22日水曜日

1106.「知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能」 野口悠紀雄

知というものについての手軽な読み物です。

古来、知識は秘匿されていました。記録に残されず消滅させるか、口伝で伝えるかするものであり、それにより知識が独占され神秘性が増しました。それが権威者の優位性となっていました。

それが印刷により公開されることになり、一般の人でも知識を得られるようになりました。そして、知識を売ることでお金を得るようになりました。

インターネットの出現でこの構図が激変します。知識が無料で得られるようになったのです。人々は無料で知識にアクセスできるようになりました。

ところが、インターネットの情報は算術級数的に増加し、事実でない情報も多く含まれるようになりました。

これを検索できるようにし、広告と組み合わせることで、無料でサービスを提供しながらも巨万の富を得るというGoogleモデルが世の中を一変させたのでした。

そして、AIの登場ですが、AIは人類に繁栄をもたらすのか、それとも破滅をもたらすのか。

著者は、知識を得る楽しみは人類から奪われないと楽観的ですが、どうなるのでしょうか。

2017年2月21日火曜日

1105:E2.「LISA IN LONDON」 (Penguin Readers (Graded Readers))

リサは英語を学ぶためにロンドンにやって来ました。

よい英語学校はどこかと訪ねると、ALPHAを勧められます(学校は、ロンドンに来る前に決めておけよ)。

ALPHAへ行ってみると、イキナリ写真撮影が始まります。同じ名前のフォトスタジオに行ってしまったのです。

この写真がスポンサーの目にとまり、リサはモデルになるよう頼まれます。

英語学習が目的だったのでこれを断りますが、スポンサーはどうしてもリサではないとダメだと固執します。そこでリサは・・・

Beginners向けなので、英語学習者に夢を与えるラブ・ストーリーです。

2017年2月20日月曜日

1104.「日本人が本当は知らないお金の話」 三橋 貴明

お金に対する考え方が全く変わってしまう本です。

現在は違うけれど、かつては通貨は金や銀でできていて、紙幣になった後は紙幣額と同量の金が保有されていました。

そしてそれが当たり前であり、現在の金本位制から離れた通貨制度は何だか不安定な制度のような印象があります。

しかし、そもそも単なる金属である金や銀に、そのような価値があるのでしょうか。

著者は、お金とは「債券と債務の記録」に過ぎないと論破し、読者の通念を打ち砕いてくれます。

そして、その記録を銀行などに預けても(本当は貸付)、国の経済に対してあまり意味がないと説きます。

さらには、「日本の借金1000兆円」は本当は「政府の借金」であり、日銀が親会社である政府の国債を買い入れれば、相殺されてしまうことも説明しています。

個人としてのお金の扱い方もいろいろ考えさせられました。

2017年2月17日金曜日

1103:E1.「WHO WANTS TO BE A STAR ?」 (Penguin Readers (Graded Readers))

ティナは、13歳。歌と踊りが上手い人気タレントです。

だけど、人気スターの生活に嫌気がさしており、母との諍いをきっかけに家出してしまいます。

友人の祖母、ミセス.ホワイトの家に転がり込んだティナ。そこでの素朴な生活は全てが目新しいものであり、幸せを感じています。

しかし、そんな幸せも長くは続かず、彼女の素性が知れるときが来て・・・

短いけれど楽しめるストーリーです。

2017年2月16日木曜日

1102.「水鏡推理3 パレイドリア・フェイス」 松岡 圭祐

今回のテーマは地質学。

私は地質学の知識がないのでチンプンカンプンだけど大丈夫です。主人公の瑞希も全く分かっていないので、他の登場人物が説明してくれます。

地震の後、過疎の村の山中に突然、人の顔が浮かび上がります。原因調査のために派遣された瑞希ですが、なかなか周囲の協力が得られません。

丁度、隣村で地球の地軸逆転を調査していた研究チームに協力を仰ぎます。

人面塚はどんどん人気スポットなって多くの人が訪れるようになり・・・。

緻密なトリックで最後まで謎が解けないミステリーです。

2017年2月15日水曜日

1101.「「ありがとう」と言われる会社の心動かす物語」 三枝 理枝子

様々な日本企業の非常にホスピタリティが高いサービス。

外国企業には真似出来ないであろうその秘密は、各個人の日本文化に根ざした高い意識と、その意識を作り維持しさらに高める企業の仕組みにあるようです。

その一方で、本書に書かれている企業のコメントは、「綺麗事」のようにも感じられます。いい事しか書かれていませんが、それがこのサービスの本当の要因なのか、本当は「綺麗事」では済まない実情もあるのではないかと思います。

それでも、「綺麗事」は必要だと思いました。「綺麗事」に書いてあるようにやれなくても、それを目指していくことで、社員の行動が企業理念に向かっていけるからです。

2017年2月14日火曜日

1100.「借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんが教えてくれた超うまくいく口ぐせ」 小池 浩

商売で失敗して、ヤミ金を含めて2,000万円の借金を作った著者が、考え方を変えることで借金を完済することができた物語です。

その時々にアドバイスをくれたのが「ドSの宇宙さん」。「金持ち父さん」と同じく架空の存在なので、誰か他にメンターがいたのか、著者自身が色々なところから学んだ内容なのかは不明です。

内容は具体的な行動実践というより、多分に精神的なものです。効果の程は分かりませんが、信じてやってみて効果を感じられた人には、納得感が高いものだと思います。

2017年2月13日月曜日

1099.「赤い帝国・中国が滅びる日」 福島香織

崩壊の可能性としては、習近平暗殺、クーデター、経済崩壊、戦争勃発です。
その崩壊の原因は、中国共産党内の権力闘争です。

習近平は海空軍を重視していますが、共産党の権力奪取の最大要因であり、治安維持の要である陸軍との対立が深まっています。さらにエスカレートすれば暗殺やクーデターに発展しかねません。

経済はすでに破綻しているのですが、大型公共投資と財政出動でGDP成長率を偽装しています。まだ、人民の中間層に影響が出ていないので外国からはそのように見えないのですが、大本の国有企業と銀行が破綻すれば、一気に中間層が下流層に転落します。

しかも、経済政策は権力闘争の道具にされてしまっており、李克強が打とうとする手を習近平が妨害するため、経済回復の見込みは全く立ちません。

そして、これらの混乱から目をくらまし、習近平体制を盤石なものにする方法が外国との局地戦です。特に東シナ海や南シナ海で局地戦を起こせば、海空軍を動かすことになり、勝っても負けても、海空軍の増強が図れます。

日本にとって、対応の準備が強く迫られていると思います。

2017年2月10日金曜日

1098.「2017年 世界最終戦争の正体」 馬渕 睦夫

世界最終戦争とは、グローバリズムとナショナリズムとの戦争です。
経済戦争という意味ではなく、世界市場を作るために国家を破壊する戦争です。

元々は、国を追われてアメリカに流れ着いたユダヤ人が政治的に力を持ち、ネオコン(新保守主義)となりました。ネオコンは金融業を営むユダヤ人を基盤としているため、ヒト、モノ、カネの国境を超えた移動の自由を求めるグローバリストと非常に近いと思われます。

カネとモノの移動は既に完了し、後はヒトのみです。そこで、ネオコンはアラブの春を引き起こし、独裁であっても秩序があった国々を破壊し、混乱状態に陥れました。シリアのアサド政権を倒せば中東の崩壊は完成するところでしたが、ロシアが介入したため、これが阻まれました。その復讐としてウクライナの動乱を巻き起こしたとの見立てです。

ウクライナの騒動も鎮圧化されてしまったネオコンは、次にトルコ軍の反乱勢力にロシア機を撃墜させました。これにロシアが反撃すればNATOが介入して第三次世界大戦が起こるところでした。しかし、これもプーチンが自制して起こりませんでした。

次に仕組んだのが、ネオコンに抱き込まれたヒラリーの大統領就任。著者は、ヒラリーが大統領になればロシアと敵対し、2017年以降、世界大戦を回避することが非常に困難になると予想しておりました。しかし、これもトランプが大統領となり親ロシア路線となったために回避されました。

今後のグローバリズムとナショナリズムの争いに関心が深まります。

2017年2月9日木曜日

1097.「GONE ゴーン 下」 マイケル グラント、 片桐 恵理子

見えない壁に囲まれ、15歳以上の人間が消えてしまった街で暮らす子供達。

下巻では、なぜ、原子力発電所から半径15kmにバリアが築かれ、15歳以上の子供が消えたのか、その謎が明かされます。

そして、サムと双子の弟ケインの15歳の誕生日が近づいていきます。

言葉を話すコヨーテ、不思議な力を持つダークネスなどの思惑も絡んで、サムとケインが消滅す日に向けて、最後の決戦を迎えます。

果たして、勝負の行方は?

そして、サムは消滅を免れることができるのでしょうか?

2017年2月8日水曜日

1096.「秘密結社Ladybirdと僕の6日間」 喜多川 泰

またまた、突飛な舞台設定なのですが、読んでいくと不自然さはありません。

働くというのは誰かと交わした約束を守ること。
自己実現とは自分と交わした約束を守ること。

しかし、多くの人にとって自分との約束を守ることの方が遥かに難しい。それには強い意思と精神力を必要とするから。そして、自分との約束を破るとどんどん自信を失っていく。

では、自分との約束を守るためにはどうすればよいのか。

その一つの方法が、秘密結社でした。
夢を持つ仲間を持つことで、自分との約束が他人との約束に変わる。
そして、それぞれが自分の約束を守り強い自分になると仲間同士で1人ではできないことができるようになる。

自分との約束を守るもう一つの方法が、「お天道様は、いつも見ている」と言い聞かせることだそうです。それにより自分に嘘がつけなくなります。

この古くからの日本の習慣が、だんだん薄れていることに著者は危機感を持っています。

日本の風習にはこんな優れた考えがあることに驚き、自分でもお天道様を意識するようにしようと思いました。

2017年2月7日火曜日

1095.「セイレーンの懺悔」 中山 七里

女子高生の綾香が誘拐され、身代金1億円が要求されるものの、すぐに遺体で発見されます。

帝都テレビは、過剰報道続きで検証を求められいました。報道記者の朝倉多香美は、汚名返上のチャンスとばかり、スクープを狙います。

多香美はクラスメイトの証言から綾香がイジメを受けていたことを聞き出し、主犯格の未空を追います。未空ら4人を犯行グループとスクープとして報道し、帝都テレビの「アフタヌーンJAPAN」は一躍脚光を浴びるのですが・・・

報道の実体とは、真実の公開なのか、大衆の扇動なのか。そのあり方が問われます。そして、一番大切なことは、想像力を働かせて物事を見ることだと教えてくれました。

2017年2月6日月曜日

1094.「四月になれば彼女は」 川村 元気

始めから独特の空気感を感じさせる作品です。

主人公のモノローグの合間に、意識が周囲の風景に飛びますが、全く本筋と関連がないような風景がその時の感情を間接的に際立たせているように感じられます。

燃え上がった恋愛感情が薄れていく様、セックスなき結婚生活の意義、結婚後も相手をずっと愛し続けられるのかという疑問などが問われています。

恋愛感情が薄れた後に夫婦を結びつけるものの一つが子供として表現されているように感じました。

それでは、子供がない夫婦は恋愛感情や性欲が無くなった後にも、愛情を保てるのかという根源的な問いかけに対する一つの答えを見たような気がします。

2017年2月3日金曜日

1093.「TOEIC(R)テストで「高得点を取れる人」と「取れない人」の習慣」 鹿野晴夫、 山縣画児

タイトルに「習慣」とあるように、英語学習を日々の習慣として、長期的にTOEICのスコアを上げましょうという内容です。

一日一時間勉強した場合、3ヶ月では効果はあまりなく、6ヶ月後から点が伸び始めるとのことです。

その学習方法は、多くの問題集に手を広げず、数冊を最低3回繰り返すというものです。具体的には、TOEICの公式問題集などを使って、音読を中心に行われます。

こう書くと、「なんだそんなことか」と感じられますが、実際には音読にも工夫が施されており、実際にやってみると効果がありそうです。

題材もemailなどを中心とし、TOEICの勉強をしながら、日常の仕事でも英語を使えるようになることを狙っているので、実践的で継続が期待できます。

TOEICの勉強をしても会話はできるようにならないとの批判もあり、その批判は一理あると思います。ただ、このやり方だと、いくつかの実践的なフレーズを書けて、話せるようになるので、語彙やフレーズが少なくて済むビジネスには効果があると思いました。

このやり方で9月のTOEICに向けて勉強しようと思います。

2017年2月2日木曜日

1092.「きみといたい、朽ち果てるまで ~絶望の街イタギリにて」 坊木 椎哉

第23回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞作です。

国から見捨てられ、朽ち果てた町「イタギリ」。その独特の世界観でグロテスクで美しい物語が始まります。

イタギリに生まれ育った晴史は父親と二人暮らし。国籍もなく、教育も受けておらず、ゴミ集めで生活を凌いでいます。

晴史の唯一の楽しみは、道端で絵を書く美少女、シズクを見かけること。しかし、この町の道端で絵を書くことはすなわち「物売り(娼婦)」であることを意味します。

イタギリで、殺された上に内蔵を抜き去られるという連続殺人事件が起こります。犯人の手がかりは全くありません。

犯人は誰なのか、なぜ内蔵が抜き去られるのか、陰鬱な事件の中で鮮やかな恋愛が奏でられる異色の作品です。

2017年2月1日水曜日

1091.「空母いぶき 2 」 かわぐち かいじ、 惠谷 治

中国人民解放軍が突如、宮古島と多良間島のレーダーを爆撃し、尖閣諸島、宮古島、多良間島に上陸します。多良間島は中国人民解放軍に占領され、150人の自衛隊員と3000人の島民が捕虜にされます。

人民解放軍の占拠を防ごうとした自衛隊員は人民解放軍の兵士と戦闘状態になり、第二次大戦後、初の戦死者となります。

占領地域を奪還するため空母いぶきが急行しますが、人民解放軍の潜水艦が深海から監視しています。

領空を確保すべく向かった対潜哨戒機も人民解放軍に撃墜され、日中は一触即発の事態に。

中国の真の狙いは何か・・・

人民解放軍の尖閣諸島占領がマンガでシュミレートされます。

日本の法制度の問題点が明らかにされながら展開される、危機感に溢れるストーリーです。