2017年3月28日火曜日

1128.「代体」 山田 宗樹

車の修理中に他の車を貸し出すのが代車。人類は、体の治療中に意識をロボットに移し替える「代体」という技術が開発しました。

意識がない体を治療することで治療効率が上がり、意識を持ったロボットはいつものように仕事もできることで徐々に利用が広がっていきました。

喜理川は肺の悪性腫瘍のために代体を利用します。当初成功すると思われていた手術が失敗し、喜理川の肉体は死亡しました。代体のエネルギーは31日間しかもたず、それを超えると意識も消滅してしまいます。

喜理川は失踪しロボットが山中で発見されますが、彼の意識データは代体に残っていませんでした。喜理川の意識はどこへ行ったのか。さらなる大きな企みが発動していきます。

人間にとって意識とは何か、意識と肉体はどういう関係なのか、自分とは何者なのかを問いかける作品です。