2017年10月12日木曜日

1326.「グローバリズム その先の悲劇に備えよ」中野 剛志、 柴山 桂太

グローバリズムは近年に起こったものではなく、第二次大戦前にも起こっていました。それにより金融恐慌が発生し世界的な不況を引き起こしました。

戦争中の戦時公債発行による需要喚起や、戦後の公共投資、労働組合結成、農協設立など社会主義的な施策により内需が重視され、景気も立て直して、国民も豊かになりました。

しかし、特に小泉内閣以降、竹中氏の構造改革によりこれらが悪とされ、公共投資は抑えられ、郵貯は解体され、農協も弱体化されました。法人税率は軽減され企業が利益を増やしても株主に分配されて労働者に分配されず、消費税率が引き上げられ、増えない給与で税金だけが上がるというダブルパンチとなっています。その結果消費が盛り上がらず、デフレが続いています。

これらの背景にはグローバリズムがあり、米国はTPPから脱退しNAFTAを見直し、英国はEUから脱退と、ナショナリズムに舵を切りましたが、日本はナショナリズムを勧める勢力がなくグローバリズムが更に推進されています。

「グローバリズム その先の悲劇に備えよ」というタイトルですが、その策は提示されずただ暗澹とした気分が残りました。