2018年3月28日水曜日

1199.「マルドゥック・アノニマス 1」 冲方丁

マルドゥック・ヴェロシティ、マルドゥック・スクランブルに続く3部作目。マルドゥック・スクランブルから2年が経ち、マルドゥック市は見かけ上の平穏が保たれていました。

イースターズ・オフィスのウフコックは新しいパートナーのロックと順調に仕事をこなしていました。

ところが、弁護士サムから企業の内部告発者ケネス・C・Oの保護依頼がもたらされてから、事態は一変します。

09法案で認められた強化人間以外にも、強化人間が量産されていて血みどろのチーム対抗戦が繰り広げられていたのでした。

本作では、ヴェロシティのボイルドや、スクランブルのバロットのような強烈な個性を持ったメインキャラクターがいません。

強いて言えば、強化人間の草創期から唯一生き延びたウフコックが主人公であり、その葛藤が克明に描かれています。


2018年3月27日火曜日

1198.「成功者の自分の時間研究」 上野 光夫

「自分の時間をひねり出す方法」と「自分の時間の活用方法」を伝えることが本書の目的と最初に前置きしてあります。

「たしかに6時間を確保することが誰にでもできることがわかったきました」そうです。

読み終えたところ、確かに「自分の時間の活用方法」については語られていますが、「自分の時間をひねり出す方法」、特に「6時間を確保する」方法は説明されていないように感じました。

また、「自分の時間の活用方法」についてはいいことが書かれていますが、どこかで聞いたことがある内容ばかりで、独創性は感じられませんでした。

このテーマの自己啓発本を初めて読む人にはよい入門書です。

2018年3月26日月曜日

1197.「ずぼらマネー もう2万円トクする人の買い物習慣」 開発社、 MdN編集部

一言でいうと、これまで現金で払っていたところを、カード払いにしてポイントを貯めようという内容です。

様々なクレジットカードの特徴が細かく書かれていて、その点では参考になります。

ただ、いくらポイントが貯まっても、カード払いにすることで使いすぎて、借金が増えたのでは、元も子もないなと思いました。

2018年3月22日木曜日

1196.「人生のモヤモヤは歩くだけで消える」 猪狩 大樹

著者は学生時代からアイスホッケーをしていたスポーツマン。しかし、急に腰痛に悩まされるようになりました。

整体に行けば楽になりましたが、初めは1ヶ月くらいの痛みのない期間がだんだん短くなっていきました。

そんなとき、佐藤富雄さんの本に出会い、ひらめくものがあってウォーキングを始めます。

しばらく続けてみるとあんなに苦しかった腰痛も回復しました。そうしてウォーキングに取り憑かれ、自分でも色々と調べ始めたのでした。

端的に言えば、長時間歩くと脳内でエンドルフィンが分泌されて気持ちが良くなり、体調も回復するというものです。

読みやすいのですが、もう少し著者独自の独創性が欲しかったです。

2018年3月20日火曜日

1195.「江副浩正」 馬場 マコト、 土屋 洋

リクルート社の創業者である江副浩正さんの正伝です。稀代の起業家の光と影が緻密に描かれています。間違いのない名作であり、恐るべき大作です。

今では売上高一兆円を超えるリクルートを創り、リクルートOB・OGからも慕われる江副さんですが、ある時を境にその経営方針や人格までもが変容してしまったようです。

世の中になかった事業を熱意を持った少人数で新規に起こしていった江副一世と、既存事業を大規模資本と営業力を持った大多数で高速で開拓していった江副二世。

現在では、江副二世の仕事は撤退を余儀なくされ、リクルートに残っているのは、江副一世が起こした仕事のようです。

そして、江副一世が創った社風が今でも色濃く残っており、今、江副さんを慕って語られるのは江副一世時代の話のようです。

あれだけの功績を成し遂げたにも関わらず、晩年は、20年近くにわたるリクルート裁判、株式売買の損失、元妻からの財産分与裁判、健康不安、そして認知症発症と苦難が続きます。

自ら大きな不幸を背負い込んだ代わりに、リクルートという世にも稀な文化を持った企業を生み出し、日本の企業のあり方や、引いては日本経済にも大きな影響を与えたのでしょうか。就職、住宅、結婚、旅行など情報によって日本人の生き方を変えたとも言えるでしょう。

リクルート事件で逮捕された時、江副さんは、51歳でした。その年令までにあれだけの企業グループを育て上げる一方で、マスコミや検察から吊るし上げられ、世間からは蛇蝎のごとく憎まれました。その才能は本当に惜しまれます。

「自ら機会を創り出し機会によって自らを変えよ」
江副さんが創り出した言葉が刻まれたプレートが私の机の上にあります。それを毎日眺めながら、今日はどんな機会を創り出そうか日々考えています。

2018年3月19日月曜日

1194.「ルビンの壺が割れた」 宿野 かほる

水谷は、フェイスブックで未帆子に似た女性を見つけ、メッセージを送ります。

未帆子は水谷の婚約者でしたが、30年前の結婚式当日、忽然と失踪したのでした。

遠慮がちにメッセージを交わす中で、少しずつ明かされていく水谷と未帆子の生い立ち。

そして、未帆子が失踪した驚愕の理由とは・・・

2人のメッセージのやり取りのみからなる、150ページの薄い本ですが、内容がとても濃く、最後まで引き込まれて読み終えました。



2018年3月12日月曜日

1193.「天国に一番近い会社に勤めていた話」 ハルオサン

著者は高校卒業後、子供の頃から夢だった警察官になります。ところが、人間関係をうまく築けず、すぐに退職。

そこから、学歴も職歴もない著者が入社することができたのはブラック企業でした。しかし、著者は自分が働いている会社がブラック企業であることに気づかず、問題は自分にあると考えて努力を重ねて業績を上げていきます。

それにもかかわらず、給料は上がりません。それがブラック企業。給料は上がらないものの、精神が高揚するような環境にはめ込み、著者を洗脳していきます。著者は職場で恋人もできたのですが、五股をかけられて婚約破棄。精神がボロボロになりながらも働き続けるのですが・・・

著者の体験を基に書かれたブログをまとめた本です。
世の中には、ここまでブラックな会社があるのかとビックリしました。
ただ、そんな環境でも何とか生き延びていけば、様々な能力も磨かれ、成長できるのだなと感動しました。



2018年3月9日金曜日

1192.「お金を稼ぐ人は何を学んでいるのか?」 稲村 徹也

「お金を稼ぐ人」と謳っていますが、実際はアンソニー・ロビンズなど作家の引用がほとんどです。

自分の実体験が少なく、他者の本からの引用が多いです。

内容も精神論が多く、具体策が少ないです。

つまり、再現性の信憑性が低く、実行できる学びも少ないように感じました。

記載されている習慣は、
ー毎月一定額を積み立てる
ー消耗品にお金をかけない
ー家計簿をつける

そのとおりですが、これがお金を稼ぐ人の習慣とは思えませんでした。


2018年3月8日木曜日

1191.「ババァ、ノックしろよ!」 TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」

子を想うババァ達の痛い行動が笑えます。

子供のお誕生会で「生まれてきてくれてありがとう」と涙ながらに手紙を読み始めた母。
彼氏との行為中に部屋の襖を開けて二人を凝視する母
娘のベッドでゴロゴロして、「何その雪だるま?」と娘のirohaを追求する母
息子のERO bookを勝手に新作と交換する母
など、親切かつ無神経な母シズムが満載です。

母の愛情に笑いながらも、少し物悲しさを感じます。

思春期の子供を持つ母親が読んでも勉強になると思います。


2018年3月7日水曜日

1190.「すべてはモテるためである」 二村 ヒトシ、 青木 光恵

モテないのは、キモチワルイからとバッサリ切り捨てています。

それを経験不足と勘違いしてナンパしまくっても無駄。まずは自分のキモチワルサを自覚することから教えています。

自分のバカさに気付いたら、キャバクラなどで女の子と話す練習から始めます。

慣れてきたら、自分がマグロにならない風俗店へ行って、さらに会話を磨く。

そうして、初めて一般女性と親しくなります。

ナンパではなく、SNSなどでオフ会に参加し、さり気なく女の子と出会い、会話を盛り上げていく。

なかなか実践的な方法だと思いました。

2018年3月6日火曜日

1189.「ライセンスビジネスの戦略と実務 第2版: キャラクター&ブランド活用マネジメント」草間 文彦

薄い本ですがライセンスビジネスについて、全くの基礎から実践まで教えてくれます。

ライセンスビジネスの歴史や著者の実体験などを交えて解説しているので、とても分かりやすいです。

巻末にひな形も付いてあり、すぐに使えそうです。

教科書として通読して勉強するのはもちろん、傍らに置いて実務で参照するのにも適しています。

2018年3月5日月曜日

1188.「歌舞伎町NO.1ホストが明かす お金に好かれる人が大切にしていること」 信長

歌舞伎町の売れっ子ホストがこれまで見てきて、自分も実践している「お金に好かれる人が大切にしていること」を紹介しています。

読んでいて「なるほど」と思える習慣が具体的に書かれています。そのため、読者も真似しやすいです。

試してみても決して損をすることのないような習慣に見えます。

しかし、自分自身で、これまでこの習慣に気付いて意識してやってきたことはありませんでした。

この習慣を真似したいと思いました。

2018年3月2日金曜日

1187.「何をやってもダメだった私が、教わったこと。気づいたこと。実行したこと。」 渋井 真帆

起業してから生き残り、さらにビジネスを発展させていく方法を小説仕立てで教えてくれます。

著者自身の実体験を基にしているようです。

著者は大学を卒業して入行した銀行を結婚のために一年で退職します。その後、主婦として幾つかのパートで働きながら、起業します。

様々の勉強会や異業種交流会に参加しますが、自らの研修ビジネスは伸び悩みます。

切羽詰まった著者は、それまで避けていた銀行員の夫のアドバイスにいよいよ耳を貸し始めました。

夫からビジネスパーソンとして学ぶべき基礎やマーケティングを段階的に学びながら、徐々にビジネスを大きくしていくストーリーです。

再現性が高そうな方法なので、真似をすれば成果が出そうな内容で、勉強になりました。